限りある資源を有効活用するために重要なリサイクル。家族で楽しくリサイクル活動に取り組むアイデアを紹介します。
子どもと一緒にリサイクルを学んで実践!
「リサイクル」とは、使い終わったものを回収し、もう一度資源に戻して新しい製品をつくること。私たちは便利で豊かな生活を送るために、地球が生み出す資源を消費していますが、消費だけを続けていると、いずれ資源はなくなってしまいます。
そこで重要になるのがリサイクル。きちんと分別をしてゴミ出しを行えば、使い終わったものを資源として再利用することができるうえに、ゴミを燃やすことで排出される二酸化炭素を削減したり、埋め立てるゴミの量を減らしたりすることができるのです。
リサイクルについては、小学校で学びますが、幼児でも、生活のなかでリサイクルを意識づけし、実践していくことは可能です。ここでは、小さな子にもリサイクルの概念をわかりやすく伝え、家族で楽しみながらリサイクルに取り組むアイデアを紹介します。限りある資源を未来につないでいくために、幼いうちから少しずつできることを意識づけしていきたいですね。
クイズ! 何に変身するでしょう?
そのまま捨てればゴミになるものも、リサイクルをすれば、新しい製品に生まれ変わります。なかには、意外なものに生まれ変わっているものも! 次のようなものは、どんなものに生まれ変わるのでしょうか。 「答え」を隠して、お子さんと一緒に考えてみてくださいね。
★変身前★
ガラスビン
缶詰の缶(スチール製)
お菓子の袋
ペットボトル
牛乳パック
☆変身後☆
道路(アスファルト舗装)
電車の線路
シャツ
トイレットペーパー
ベンチ(樹脂製)
答え
ガラスビン
→道路(アスファルト舗装)
色別に細かく砕かれて、多くはもう一度ビンの原料になります。また、住宅の断熱材やアスファルト舗装などの材料に使われることもあります。
※飲料のビンなどは、同じビンが複数回、再利用されることもあります
缶詰の缶(スチール製)
→電車の線路
ビルの鉄骨などの建築材料や鉄道のレール、自動車の部品、新しいスチール缶などの鉄製品に生まれ変わります。
お菓子の袋
→ベンチ(樹脂製)
新しいプラスチック製品として生まれ変わったり、化学製品の原料として再利用されたりします。
ペットボトル
→シャツ
回収されたペットボトルからは、新しい容器や、シャツやカーペットの繊維がつくられたりします。
牛乳パック
→トイレットペーパー
紙の原料であるパルプとなり、トイレットペーパーやキッチンペーパーなどの材料として使われます。
リサイクルの工程をおうちで体験!
牛乳パックで紙すきをしてみよう♪
回収された資源ゴミは、どのようにして再生されるのでしょうか。牛乳パックから新しい紙(はがき)をつくることで体験してみましょう。
<材料>(はがき3枚分)
牛乳の紙パック(1L)、紙すきセット(型枠と金網)、鍋、ミキサー、洗面器などの大きな容器、平らな板、タオル
※100円ショップやホームセンターなどで購入できます
<つくり方>
①牛乳パックを水でよく洗い、鍋に入る大きさに切ります。
②①を水を入れた鍋に入れ、15分くらい煮て、水をしみ込ませます。
③紙の両面についているポリエチレンのシートを剥がします。
④細かくちぎって少しずつミキサーに入れ、ミキサーの半分くらいの量の水を加えながら、どろどろになるまでミキサーを回します。紙をつくるために用いられる植物の繊維=パルプができます。
⑤水を入れた容器に④でできたパルプを入れ、金網をセットした型枠でパルプをすくいます。パルプが均等の厚さになるようにしましょう。
⑥⑤を平らな板の上に置いて、型枠を外します。
⑦裏返して、水気を絞り、金網を外します。
⑧タオルで水気を切ってから、ガラス窓などに貼り、水分がなくなるまで乾かします。
新しい紙のできあがり!
子どもにもできるリサイクル!
ゴミの分別にチャレンジしよう
次のようなことなら、子どもにも、遊び感覚でお手伝いしてもらえそうですね。
◆ペットボトル
ゆすいでから水を切り、ふたをとり、ラベルを剥がします
ふたとラベルをとって、3つに分けてから別のゴミ箱に入れてね
◆クッキーの空き箱
紙とプラスチックを分けます
ツルツルの部分はプラスチック。紙と分けてから捨てようね
◆アルミ缶・スチール缶
アルミ缶とスチール缶を分けます
磁石につく缶はスチール缶、磁石につかない缶はアルミ缶だよ
牛乳パックはなぜ別に回収するの?
牛乳パックなどの飲料用の紙パックは、濡れても破けないように、紙の両面がポリエチレンで覆われています。そのため、他の古紙とは混ぜずに、スーパーや自治体などが設置する専用の回収ボックスなどに持参するようにしましょう。
☆月刊誌『灯台』2023年3月号「子育てプラザ」より転載