自分で行動できる子に!時間の感覚を育もう

「時間がないから早くしなさい!」などと叱っても子どもにはなかなか伝わりません。時間の感覚を育み、子どもの自立へとつなげられるようサポートしてあげましょう。

時間を意識して行動できるように、少しずつ練習してみよう

 忙しい現代の生活。子どもにも、時間を意識して行動してもらいたいこともあるでしょう。とはいえ、「時間がないよ!」「早くしなさい!」などとやみくもに叱っても、子どもにはなかなか伝わりません。
 時間を意識し、時計の示す時刻に従って行動することは、大人にとっては当たり前のことかもしれませんが、これは、生活していくなかで学習したもの。小さい子どもには、まだ備わっていない感覚なのです。
 時計の読み方は小学生になってから習いますが、その前からリビングなどにアナログ時計を置き、少しずつ時間を意識して行動できるように練習して習慣化してみましょう。初めは、時計の読み方がわからなくても大丈夫。ママやパパが時計に親しめるような声かけを重ねるうちに、だんだんと読み方も身についていきます。
 子どもが時間を意識して過ごせるようになると、スムーズに進む生活の場面が増えることでしょう。家族で楽しく取り組んでみてくださいね♪

時間を〝見える化〟する工夫をしよう

子どもには意識しにくい時間の感覚。3歳くらいの子には、視覚で時間の経過を感じられるような工夫をしてみましょう。

アイデア1:砂時計を活用しよう

「砂が全部落ちるまでに、お着がえしてみよう!」「テレビを見る残り時間は、砂が全部落ちるまでね」などと声をかけていきます。繰り返し行い、時間内に行動することを少しずつ習慣化していきましょう。
場面に応じて、3分計・5分計・10分計などを使い分けるのがおすすめ。それぞれの砂が落ちる時間を比べてみると、時間の長さの違いがよくわかるかもしれませんね。

アイデア2:アナログ時計にひと工夫

リビングルームなどにアナログ時計を置いて、時計に親しめるようにしましょう。「長い針が3まで来たら出かける」などと、目で確認しながら行動していきます。数字が読めない場合も、 3と6と9と12の数字の部分に、色別の丸形シールなどを貼っておき、「長い針が青いシールのところまで来たらお風呂に入ろう」などと言って、時計を見ることを少しずつ意識させ、時計への興味につなげていきましょう。

時計の読み方を教えよう

時計の読み方は、小学生になってから学校で学習しますが、数字が読めるようになると、時計に興味を持つ子も増えてきます。10まで数字を読めるようになったら、少しずつ読み方も教えていきましょう。

レベル1 短い針を読んでみよう

まずは、短い針が指している数字を読むことから始めましょう。とはいっても、いきなり読み方を教えるのではなく、ママやパパが生活のなかで声をかけるようにします。
例えば、「短い針が3になったら、3時だからおやつの時間だね」「短い針が8になったら、8時だから寝る時間だよ」などと、時計を見ながら伝えます。繰り返しているうちに、短い針の指す時刻の読み方を自然と覚えていきます。

レベル2 「ちょうど」と、「○時半」を教えよう

長い針の読み方は、「○時ちょうど」と「○時半」から教えましょう。長い針がまっすぐ上を向いていて12を指していたら、「○時ちょうど」、長い針がまっすぐ下を向いて6を指していたら、「○時半」であることを、レベル1の時と同じように生活のなかで伝えます。慣れたら、「○時半」は「○時30分」を指すことも教えてあげましょう。

レベル3 「分」を教えよう

次に、5分刻みの読み方を教えます。「長い針が1に来たら5分。5分までに歯磨きを終わらせようね!」「長い針が4に来たら20分。幼稚園のバスが来るよ」などと、繰り返し伝えましょう。
そこまでわかるようになったら、細かい「3分」や「47分」などの読み方を少しずつ練習してみましょう。時計の目盛りを1つずつ指しながら、1~60までを声に出して読んでみてもいいですね。数字の理解に応じて取り組んでみてください。

やることボードで、朝の支度をスムーズに

時計をある程度読めるようになったら、少しずつ時計と照らし合わせながら、行動する習慣を身につけましょう。
やることボードでやることを〝見える化〟しておくと、楽しく取り組みやすいですよ。

やることボードの材料 
ホワイトボード、マグネットシート、定規、はさみ、両面テープ、マジックペン

<つくり方>
①マグネットシートを、はさみで4.5cm角の大きさに切ります。
②下のイラストを、125%に拡大コピーして使います。両面テープでマグネットシートの表面に「やること」のイラストを、裏面に「できたよ!」のイラストを貼ります。
③ホワイトボードに、時計のイラストを両面テープで貼って、やることを終える目標の時間を記入します。

<使い方> 
ホワイトボードに、その時間までにやることを並べて貼り、できたことはひっくり返します。

※材料は、100円ショップなどで購入できます
※「できたよ!」と「時計」のイラストは、必要な数だけコピーしてください

☆月刊誌『灯台』2022年7月号「ヤング・ミセス・プラザ」より転載