気になる!子どもの友だちづくり

幼稚園や保育園での集団生活が始まると子どもが上手に友だちと関われるのか気になるママやパパも多いのでは?子どもの友だちづくりを上手に見守り、サポートするためにどのように関わればいいのでしょうか?

子どもは、友だちとの関係を通じて少しずつ人との付き合い方を学んでいく

 子どもの友だち関係が広がっていくのは、幼稚園に通う子が増える3歳以降。集団生活が始まると、「人見知りで心配」「お友だちにいじわるをする」「お友だちから仲間外れにされているかも」など、子どもの人間関係に不安を感じるママやパパは、少なくありません。
 子どもの友だちとの関わり方は、年齢に応じた発達段階によって変化していきます。初めは、周りにいる子を意識することから始まり、相手と一緒に何かができる楽しさを少しずつ共有していくなかで、友だちとしての関係が広がっていきます。
 だからといって、相手の思いをくみとったり、自分の気持ちを調整しながら遊ぶことはすぐにはできません。時にはケンカなどのトラブルを経て、少しずつさまざまな人と人間関係を築く練習をしていきます。ママやパパが不安になることや、本人にとってつらいこともあるかもしれませんが、あたたかく見守ってあげることも重要なサポートだと言えるでしょう。

友だちっていつからできるの?
子どもの発達と友だちづくり

発達段階によって、遊び方や友だちとの関わり方が変化していきます。一緒に遊べるようになるのは3~4歳くらいからと言われています。

<1歳半くらい>
近くで遊ぶ友だちの存在が気になり始めます。でも、まだまだ興味の中心は、自分のやりたい遊び。一緒に遊ぶわけではありません。友だちづくりよりも、ママやパパなどの身近な大人とたくさんコミュニケーションをとり、安心できる関係性があることが大切な時期です。

<2歳くらい>
同じくらいの年頃の子どもに、はっきりとした関心を示すようになります。同じ空間で、同じことをして遊んだり、他の子がやっていることのまねをしたりする様子が見られるようになります。ただし、まだまだ一人遊びが中心で、おもちゃを取ったり取られたり、ママやパパがハラハラしてしまうようなトラブルになることも多い時期です。

<3~5歳くらい>
友だちと一緒に遊ぶ楽しさを知り、ごっこ遊びや、鬼ごっこなどの集団遊びへと、友だちとの関わりがどんどん広がっていきます。思いの違いなどでぶつかり合いを経験するなかから、相手の気持ちに考えを巡らすことができるようになったり、遊びの順番待ちなどのルールの理解ができるようになっていきます。

「友だち付き合いが上手な子」に育てるためには?

身近な大人の存在も、子どもの友だちづくりの力に大きな影響を与えます。
友だちと上手に付き合える子を育てるためには、どのようなことを心がけたらよいのでしょうか。

安心感のなかで、人と触れ合う楽しさや心地よさを実感させる

 大好きなママやパパと一緒に過ごす安心感を土台として、子どもは外の世界とつながっていきます。2歳くらいまでは、無理に同年代の子と遊ばせる必要はありません。ママやパパなどの安心できる大人や兄弟姉妹の関係のなかで、人と楽しさを共有する経験をして、人と触れ合う心地よさを実感させることが、友だちと関わる力の土台になります。

家庭内での親の振る舞い、使用する言葉や言い方に気をつける

 攻撃的な子や言葉がきつい子は、そうではない子と比べて、友だちとのトラブルが確実に増えます。子どもにとって、ママやパパの振る舞いがお手本です。乱暴な言葉や否定的な表現、人の悪口などの、子どもにまねをしてほしくない言動を避け、周囲の人に敬意と思いやりをもって接するお手本を示せるように心がけましょう。

子どもの言葉や行動を先回りしない

 自分から行動したり、自分の気持ちを表現することが苦手な子は、「一緒に遊びたいな」という気持ちがあっても相手に伝えられず、友だちづくりに苦戦することが多い傾向にあります。受け身の姿勢が強い子は、ママやパパが普段から言葉や行動を先回りして、子ども自身が自分の意志で何かに挑戦したり、気持ちを言葉で表現するチャンスを奪っていないかを見直してみましょう。

こんな時どうする? 友だちとのトラブル

子どもの友だち関係にトラブルはつきもの。子どもは成長過程でさまざまな友だちと出会い、楽しいことや嫌なことを経験していくことで、少しずつ人との付き合い方を学んでいきます。
あたたかく見守ってあげることも重要なサポートだと言えるでしょう。

<2歳くらい>
「おもちゃの貸し借りが上手にできません」

「使い終わったら貸してあげられるかな?」などと、双方の子どもの気持ちを尊重できる言葉をかけてみてはどうでしょうか。また、この時期は、おもちゃの取り合いになりそうな場所よりも、公園の遊具で遊ぶなど、遊ぶ環境に工夫をするのも一案です。

<3歳くらい>
「いつもママにべったり。お友だちと一緒に遊びたがりません」

お友だちの輪に入る前に、じっくりと観察する時間を十分にとることが必要な子もいます。焦らずに、その子のペースを尊重しましょう。一緒に遊びたいのにきっかけがつくれない様子なら、初めはママやパパが子どもたちのなかに入って遊ぶことで、子ども同士での交流が始まるきっかけをつくってあげてもよいですね。

<4歳くらい>
「加減を知らず、乱暴をしないかが心配です」

毎日の生活のなかで「やさしく」「そっと」などの、加減を意識させる言葉を使いながら、相手を不快にさせない、ちょうどよい加減を少しずつ教えてあげましょう。乱暴をする場合には、たとえ遊びのなかであっても、「痛いことはやめてほしい」としっかりと伝えます。

<5歳くらい>
「仲間外れにされているみたいでかわいそう」

仲間外れは、子どもの世界ではままあること。心配にはなりますが、「みんなで遊びましょう」と大人が介入して深追いをするよりも、別の遊びに誘ったり、他の子と遊ぶように促したり、本人が気持ちを切り替えて楽しく過ごせるような対処法を身につけられるようにしてあげたほうがよいかもしれません。

☆月刊誌『灯台』2022年3月号「ヤング・ミセス・プラザ」より転載