〝自分でできる〟が増える!子どもの収納

すぐに散らかる子どものおもちゃや持ち物は、ママやパパの悩みの種。子どもが自分で片づけられるような工夫を取り入れてみましょう。今回は、子どもに片づけ習慣を身につけさせる方法や子どもが扱いやすい収納方法のコツを紹介します。

子どもが自分で片づけられる環境を整えて
片づけの習慣づけを!

 毎日片づけてもすぐに散らかる子どもの持ち物。特に、リビングで遊ぶことの多い幼児期には、リビングに散らかる子どものおもちゃの後片づけに、頭を悩ませているママやパパも多いのではないでしょうか。大人が片づけたほうが早いかもしれませんが、それでは子どもを「片づけが苦手な子」にしてしまう可能性もあります。
 子どもの持ち物の片づけで大切なのは、子どもが自分で簡単にできること。そのためには、〝出し入れしやすい〟〝手が届きやすい〟〝どこに片づけたらよいのかがわかりやすい〟など、子どもの目線で使いやすい収納の工夫をすることが必要です。同時に、どこに何を戻したらよいのかを具体的に教えながら、少しずつ片づけの習慣を身につけさせていきましょう。
 身の回りの持ち物の管理は、小さな頃から習慣づけをすることによって、少しずつできるようになっていきます。優先すべきは、「子どもが自分でできるようになる」こと。小さなステップアップを積み重ねながら、楽しく片づけの習慣が身につけられるように、サポートをしてあげましょう。

「片づけなさい!」では通じない?
子どもにわかりやすく、片づけを教えよう

「片づける」という言葉は、じつはとても抽象的な表現。「片づけなさい」と言われても、その経験の乏しい子どもには、何をしたらよいのかがイメージできないことがあります。まずは、次のようなステップを参考に、片づけとは何をすることなのかを少しずつ教えていきましょう。

ステップ1
やってみせる

片づけとは、使ったものを元の場所に戻すこと。まずは大人が何をどこに戻せばよいのかを見せて、遊んだ後のおもちゃの片づけを教えていきます。

ステップ2
一緒にやる

大人のマネをさせながら一緒に片づけます。「このおもちゃは、あの箱に入れてね」などと、何をすればよいのかを具体的に教えていきましょう。
楽しく片づけができるように、「何個のおもちゃを片づけられるかな?」とゲームにしたり、「このおもちゃはどこに片づけるんだっけ?」など、クイズ形式にしたりするなどの工夫をしてみてください。

ステップ3
声をかけてやらせる

大人と一緒に片づける習慣が身についたら、片づけの時間になったら声をかけて、子ども1人でも片づけができるように見守っていきましょう。ただし、子どもの集中力が続くのは短時間。お気に入りの音楽をかけて時間内に片づけるなど、短い時間で集中して片づけられるような工夫をしてみましょう。
また、片づけが終わったら、部屋の隅に立って部屋全体を見渡してチェックをさせると、残っているものに気づきやすくなります。

これなら子どもが自分で片づけられる!
環境づくりのコツ

子ども用の収納は、子どもの手の届きやすい位置に、子どもにとって使いやすいアイテムでつくるのが基本。成長に応じて必要なアイテムを追加して!

出し入れが簡単なら、散らかりにくい

小さいうちは、箱やかごに入れるだけの方法がおすすめ。ただし、深さがある箱やかごは、底のほうにあるおもちゃを探すために、他のおもちゃを取り出す必要があり、散らかりやすい側面があります。そこで、おすすめなのは、本棚などの収納棚をおもちゃ専用の収納スペースにして、棚に対して半分くらいの高さの箱を入れておもちゃを収納する方法。箱を引き出すことなく、中身を確認したり、おもちゃの出し入れができるので、子どもでも負担なく片づけることができます。

写真やイラストのラベルを用意

「おままごと」「くるま」「ブロック」などの種類ごとに、写真やイラストを使ったラベルをつくって収納場所に貼っておくと、小さな子にも収納場所がわかりやすくなります。種類分けができないもの用に、何でも片づけられる箱も用意しておくとよいでしょう。

細かいものに便利な、ファスナー付きポーチ

おもちゃ購入時についてくることが多い紙製の箱は、収納には適していないものが多いため、別のケースに入れ替えるのがおすすめ。特に、細かいパーツが多いおもちゃには、100円ショップなどで売られているファスナー付きのビニールポーチが便利です。

絵本を出し入れしやすくする工夫

たくさんの本が並んでいる本棚から、倒れそうになる本を支えながら絵本を出し入れするのは子どもの力では大変。そんな時はブックエンドを使って、仕切りを細かくつくってあげましょう。ブックエンドをそのまま使用すると、土台の部分の段差にひっかかることがあるので、横に倒してはがせる両面テープなどで本棚に固定すると、子どもでもスムーズに出し入れできるようになります。

通園用の持ち物も自分で管理

上着や通園かばんなどの持ち物も、自分で管理できるような工夫を。小さいうちは、箱やかごに入れるだけの収納方法がおすすめです。専用の箱を用意して、帰宅後はそこに片づけるように習慣づけましょう。手先が器用になってきたら、フックを使った引っかけ収納に移行を。上着のタグなどに、ひもをつけてあげるとひっかけやすくなります。

管理できる分量を見極めよう

おもちゃの量が増えて、遊びにくそう、片づけにくそうな様子なら、あまり使っていないおもちゃは別の場所に保管するなどして、様子を見るのがおすすめです。子どもが自分で管理できる分量を見極めて環境をつくってあげましょう。

☆月刊誌『灯台』2021年7月号「子育てプラザ」より転載