1日を元気に過ごすために、大切にしたい朝ごはんの習慣。バタバタしがちな朝に、手早く栄養豊富な朝ごはんを準備するためのコツを紹介します。
事前の下ごしらえで、忙しい朝の食事づくりがぐっとラクに!
朝ごはんは、1日を元気に過ごすためのパワーの源。夕食後、長時間にわたって栄養をとっていない脳や身体にエネルギーを補給します。しかし、忙しい朝に、バランスのよい朝ごはんを用意するのは、なかなか大変。〝朝から何品もつくれない!〟と思っている人も、多いのではないでしょうか。
そこで今回は、朝ごはんの準備をちょっとだけラクにするコツを紹介します。ポイントは、事前にできる下ごしらえをしておくこと。一工夫するだけで、朝の支度がとてもラクになるんです。夕食の準備のついでにちょっとだけ多めに野菜を切っておいたり、卵をゆでておいたり、味噌汁やスープを余分につくって翌朝に回せば、朝の手間は最小限に、栄養満点の朝ごはんを食べることができますよ。
元気に活動するために朝ごはんが欠かせないのは、子どもも大人も同じ。少しだけ早く起きて、ゆっくりと朝ごはんを食べると、気持ちにも余裕が出てきます。家族で一緒に会話を楽しみながら朝ごはんを食べる習慣も大切にしたいものですね。
バランスのよい朝ごはんって?
バランスのよい食事の基本は、「炭水化物」「たんぱく質」「ビタミン・ミネラル類」が揃っていること。次のような食材のなかから、身体が必要としている栄養素をバランスよくとれる献立を考えてみましょう。
特に、慌ただしい朝にたんぱく質をとることがおろそかになりがちですが、3食で均等に摂取することで、筋肉の合成がより高まるという研究結果もあるほど。朝食でも重要視してほしい栄養素です。
【炭水化物】
脳や身体の大切なエネルギー源。ごはんやパンなどの主食。
【たんぱく質】
身体をつくる材料に。体温アップにも欠かせない卵・肉・魚・乳製品・豆製品などの主菜。
【ビタミン・ミネラル類】
身体の正常な働きを保つのに不可欠。野菜・くだものなどの副菜。
迷わないですぐに準備! 朝ごはんの定番パターンを決めよう!
忙しい朝の時間に、献立を考えるのはわずらわしいもの。そんな時には、定番の朝食パターンをいくつか決めておくと便利です。毎日違う朝ごはんを食べる必要はありません。次のような例を参考に、無理のない朝ごはんづくりを続けましょう。
【和食】
ごはんと味噌汁に、納豆や卵・焼き魚、おひたし・煮物など。
【洋食】
トーストに、チーズやハムをのせ、野菜をたっぷり使ったスープを添えても。
【時間がない時】
簡単に食べられるコーンフレークなどのシリアルに、ヨーグルトとカットフルーツを添えても。
朝食を食べない子には?
前日の夕食の時間が遅い時や、起き抜けで眠気のほうが勝っている時には、朝ごはんの時間になっても食欲がわきません。朝ごはんをおいしく食べるには、夕食の時間や、就寝・起床のサイクルを見直すことも大切です。
子どもがそのままでは食べにくいメニューは、食べやすいように工夫をしてあげましょう。一口大のおにぎりやサンドイッチ、小さめの卵焼き、カットフルーツなどは、1人でも食べやすいですね。初めは少量でもOK。「食べられた!」という達成感を味わわせながら、徐々に食べられる量を増やしていきましょう。
ラクラク!朝ごはんのコツ
朝ごはんの準備は、下ごしらえ次第で、ぐっとラクに。さまざまなアイデアを紹介します。
野菜を下ごしらえしておく
野菜炒めやスープに入れる野菜は、洗って切っておくと便利です。前日の夕飯づくりのついでに切っておきましょう。青菜やブロッコリーなどの冷凍できる野菜は、ゆでてから小分けにして冷凍保存をしておくのも◎。
ごはんやパンを冷凍しておく
ごはんやパンは、冷凍保存をしておくと、食べたい時にすぐに用意することができます。例えば食パンなら、1枚ずつラップに包んでから、密閉性のあるフリーザーパックに入れて冷凍します。食べる時には、凍ったままトースターで焼いて食べましょう。
すぐに食べられるたんぱく源を用意
ハム・ソーセージ、納豆、チーズ・ヨーグルト、シラス干しなどを常備しておきましょう。卵はゆで卵にしておくと、そのまま食べたり、サラダに入れたりと使いまわしがききます。生ザケなど魚の切り身は、1切れずつラップに包んでフリーザーパックに入れて冷凍を。調味料で下味をつけてもOKです。
カットしなくてよいフルーツを常備
バナナやミカン、ブドウなどのフルーツは、カットしなくてもすぐに食べられて便利です。
味噌玉で、もっと手軽に味噌汁を
「味噌玉」とは、かつお節と味噌、具材を合わせ、1食分ずつボール状に丸めた手づくりのインスタント味噌汁のこと。お湯を注ぐだけで味噌汁が簡単につくれます。時間のある週末にまとめてつくっておきましょう。
◆基本の味噌玉のつくり方(味噌汁1杯分)
材料:味噌 小さじ2、かつお節 小さじ1
① ボウルに味噌とかつお節を入れてよく混ぜる。
② ①を1食分ずつ小分けにし、ボール状に丸めてラップでくるみ、輪ゴムで留める。
※乾燥ネギや切り干しダイコンなどの乾物野菜やとろろ昆布、乾燥ワカメ、麩、油揚げ、サクラエビなどを混ぜて、アレンジも可能。湯を注ぐ際に、豆腐やネギなどの好みの具材を足してもOKです。味噌玉は冷蔵で約1週間、冷凍で約1ヵ月保存が可能です。
夕食のついでにたくさん準備
夕食の副菜を少し多めにつくっておいて、翌朝に回しましょう。具だくさんのスープや野菜炒めなら、忙しい朝にも、野菜をしっかりとれますね。
簡単朝ごはんレシピ
残りごはんでつくるリゾット風
心も身体も温まる、チーズ風味のリゾット。野菜たっぷりでボリューム満点です。
材料(2人分):ごはん 茶碗1杯分、ウインナー 4本、野菜(ニンジン、ジャガイモ、玉ネギ、ブロッコリーなど) 適量、水 300ml、固形スープの素 1個、牛乳 50ml、とけるチーズ 好みで適量
① ウインナーは5mm程度の輪切りに、野菜は食べやすい大きさに切る。
② 鍋に、水と固形スープの素、ウインナー、野菜を入れて火にかける。
③ 野菜が軟らかくなったら、ごはんを入れて軽くかき混ぜたあと、牛乳を入れて弱火でとろみがつくまで煮込む。
④ チーズを入れてひと混ぜし、チーズがとけたら火をとめる。
卵とホウレンソウのトースター焼き
トーストの朝食のもう1品におすすめ。ゆでたホウレンソウがあれば、すぐにできます。冷凍のホウレンソウを使用してもOK。
材料(ココット皿または小さめの耐熱皿 4個分):
ゆでたホウレンソウ 1/2束、ロースハム 2枚、卵 4個、塩・こしょう 各少々、バター 適量
① ホウレンソウは食べやすい長さに切って、塩・こしょうをふる。ハムは半分に切ってから、細切りにして、ホウレンソウと混ぜる。
② 皿の内側に薄くバターを塗り、ホウレンソウとハムを入れる。中央を少しくぼませて卵を割り入れ、好みで卵の上に塩・こしょうをふる。
③ オーブントースターで7~8分焼く。
一口おにぎり
おにぎりは、一口サイズにすれば、小食な子でも食べやすく、たくさん食べられた達成感が得られます。具だくさんの味噌汁などと一緒に。
材料(幼児1人分):ごはん 茶碗1杯、サケフレーク 大さじ2、ごま 適量
① ボウルにごはんとサケフレーク、ごまを入れて混ぜ合わせる。
② ごはんを小分けにしてラップに包み、たこやきサイズに丸める。
☆月刊誌『灯台』2020年1月号「子育てプラザ」より転載