せっかく食事を作ってもぜんぜん食べてくれないと、つい小言を言ってしまいがち。でもその前に、子どもが食べない理由を考えてみましょう。そこには食事の悩みを解決できるヒントが隠れているはずです。
子どもが食べないその理由
「好き嫌い食べ」「ムラ食べ」「遊び食べ」「だらだら食べ」・・・など、子どもの食事に関するママの悩みはたくさんあります。なかには「食事の時間がつらい」と訴えるママがいるほどです。
人間は本能的におなかがすくと食べたいという欲求がわくものです。ですから子どもが食べない場合、おなかがすいていないだけ、もしくは大人が気づいてあげにくい、子どもなりの理由があるのかもしれません。たとえば、「好き嫌い食べ」の嫌いなものは、乳歯では食べにくい食材なのかも。「ムラ食べ」はおやつを食べすぎておなかがすいていないのかも、「遊び食べ」はまだ遊びたい気持ちが残っているのかも、「だらだら食べ」は食材が嚙み切れずにもぐもぐしているのかもしれません。
また、成長途中の子どもはその日の気分で食べる量が変わるものです。大人のように毎日3食きちんと同じ量を食べないのはよくあること。身長が伸び体重が増え、その子なりに順調に成長し元気にしているのであれば、あまり神経質にならなくてよい場合もあります。
子どもの状態や成長をよく観察しましょう。食べない理由が見えてくるはずです。
子どもの食べる気のスイッチを入れよう
子どもは興味をもったもの、好きなものに対してはやる気のスイッチが入るものです。そこで、食事に興味をもたせて、やる気=食べる気のスイッチを入れてあげましょう。スイッチが入ればしっかり食べるようになるはずです。子どもが食事に興味をもつようになる工夫を紹介します。ぜひ試してみてください。
食事に興味をもたせる工夫
●達成感を味わわせましょう
苦手な食材がある子どもには、その食材を小さな器に盛りつけて、「全部食べられた」という達成感を味わわせてあげましょう。
●一緒に料理をしましょう
料理を手伝わせましょう。自分が作ったものには興味を示すようになるもの。苦手な食材でも食べる意欲がわいてくるかもしれません。
●食事に集中させましょう
幼児期の子どもは、まだ1つのことに長時間集中するのが難しいもの。食事への注意を妨げるものはなるべくなくすようにしましょう。おもちゃは見えない場所へ移す、テレビやDVDは消すなど。
●メニューや食べる場所を変えてみましょう
いつもと同じメニューやダイニングでの食事に飽きている可能性も。いつものご飯をおにぎりにしたり、抜き型を使って盛りつけたり、好きな色やキャラクターの食器を用意したり、見ために変化をつけてみましょう。また、ダイニング以外の部屋で食事をしてもいいでしょう。床やベランダにシートを敷いて、ピクニック気分を演出するのも楽しいものです。
まだまだある食事の悩みとその解決策
1:食べすぎ
2歳くらいまでは満腹中枢が未発達で「おなかがいっぱい」と感じにくい時期です。たくさん食べた場合はママが「もうおなかいっぱいだね」と声をかけ、満腹の感覚を教えてあげましょう。
2:少食
たくさん食べさせるためにはおなかをしっかりすかせることです。夕食が少食の場合は午後たっぷり遊ばせ、おやつは少なめに。朝食が少食の場合は夕食を早めに済ませること。
3:食べこぼし
スプーンやフォーク、お皿の形を見直して。スプーンやフォークは食べものをのせやすいよう、ある程度のくぼみや丸みがあるもの、お皿は縁に直角に立ちあがりがあるほうがスプーンですくいやすいのでおすすめです。
4:大人の食べものを欲しがる
大人の食べものは塩分や糖分をとりすぎてしまう可能性も。「大人のものだからダメ」とはっきりした態度で教えましょう。
5:おしゃべりばかりで食事が進まない
家族とおしゃべりを楽しみながらの食事は決して悪いことではありません。会話の内容を「うさぎさんはにんじんが好きなんだよ」など、食事に関する内容に変えてみましょう。
幼児期になるべく避けたい食べもの
- 漬物…塩分が多いので、食べさせるなら1日1切れ。
- 生卵…細菌に感染する恐れがあるため。
- たこ…生でもゆでても硬いため。
- キムチ…塩分も多く、繊維もあって嚙みにくいため。
- 大人用カレー…未熟な消化器官に刺激的すぎるため。
- もち…のどに詰まらせる危険があるため。
- ピーナッツ…のどに詰まらせる危険があるため。
☆月刊誌『灯台』2012年3月号「ヤング・ミセス・プラザ」より転載