健康な体をつくるために野菜は欠かせない存在ですね。でも、どちらかというと苦手……、という子どもが多いのも事実。そこで今回では、子どもを野菜好きにするさまざまなアイデアを紹介します。
子どもの思いを理解し、食べやすくするための工夫を
〝野菜大好き!〟―という子どももいますが、多くの子どもたちにとって避けたい存在が野菜ではないでしょうか。
子どもが野菜を苦手とする一番の理由は、その特有の苦みにあるといわれています。また、繊維質が多いため、噛む力や飲み込む力が発達段階にある子どもにとって、食べにくいという面もあります。
子どもが野菜を嫌うのには、嫌うだけの理由があるということ。食べないからといって無理強いしたり、怒ったりするのはやめましょう。よけいに「野菜って嫌なもの」というイメージがついてしまい、さらに苦手になってしまいます。
まずは、子どもが野菜を嫌う原因をよく理解し、それを解消するための工夫をしていきましょう。楽しい雰囲気のなかで野菜に触れる経験をたくさん積めば、だんだんと苦手意識がなくなり、次第に「野菜っておいしいな」と感じるようになっていくはずです。
野菜好きにしよう! ―食べる前段階でできる工夫―
普段からごく自然に野菜に触れる機会をつくると、野菜が身近なものに感じられ、苦手意識もなくなっていきます。
◎選ぶ
買い物に一緒に行き、「どの野菜がいい?」などと聞きながら、子どもに野菜を選ばせる。
◎育てる
プランターなどで簡単につくれる野菜を育てる。育てた野菜は食べる前に、よく観察して絵にするのもOK。
◎料理する
レタスをちぎる、玉ねぎの皮をむく、ピーラーでにんじんの皮をむくなど、簡単な料理を手伝ってもらう。
◎絵本を読む
野菜が出てくる絵本を読み聞かせ、出てくる野菜について話をする。
野菜好きにしよう! ―調理時にできる工夫―
子どもが苦手な苦み、食べにくさを解消できるアイデアを集めました。
子どもの様子を見ながら、取り入れてみてください。
◆温野菜で食べる
野菜には、生食時には苦みがあっても火を通すと甘くなるものもあります。加熱すれば歯ごたえも軟らかくなるので、生よりも加熱した野菜のほうが食べやすいでしょう。
◆できるだけ小さくカット
噛みにくく、食べにくいとそれだけで食べる気持ちが失せがちになります。どんな料理でもできるだけ小さく切り、一口で簡単に食べられるサイズにしましょう。
◆生野菜ならトッピングを工夫
ときには生野菜も与えたい、そんな場合は、ごまだれなど甘みのあるドレッシングをかけたり、子どもが好きなもの(ハムやチーズなど)をトッピングしたりすると食べやすくなります。
※生野菜はよく洗いましょう。また、初めての生野菜は少量ずつ、様子を見ながら与えるようにしましょう。
◆野菜を隠す調理法で
すりおろしたりつぶしたりして、野菜ジュースやスープにする、みじん切りにして餃子やミートソース、カレーに入れるなど、野菜の原形が見えなくなると無理なく食べられるかもしれません。
どうしても食べられないときは、こんな方法も
さまざまな工夫をしても食べてくれない……そんなときはハードルを下げ、
まずはおいしいと感じるものから食べさせていきましょう。
●好きな野菜を増やす
葉物野菜を嫌う子が多いので、まずはかぼちゃ、スイートコーン、フルーツトマト、さつまいもなど、甘みがあって食べやすいものから与えていきましょう。「野菜っておいしいんだ」と感じさせ、好きな野菜を増やしていくことが大切です。
●果物を食べさせる
野菜に豊富なビタミンCや酵素は、果物にも多く含まれています。果糖が含まれ、虫歯の心配もあるため、あまりたくさん与えるのは問題です。しかし、果物なら食べられるという子も多いので、まずは果物から与え、徐々に野菜へと関心を広げていけるとよいでしょう。
☆月刊誌『灯台』2017年6月号「ヤング・ミセス・プラザ」より転載