快食、快眠、快便は健康のための三大要素。食事、睡眠の後回しになりがちな排便習慣について改めて考えてみましょう。
子どもの排便の状況を把握し、規則正しい排便習慣を
冬は、寒さから運動不足になったり、夏に比べてのどが渇かず、水分の摂取量が減ったりすることから、便秘になりやすいといわれています。幼い子どもの場合、便秘を自分で認識することが難しいものです。そのため、一人でトイレに行けるようになってからも、いつ、どんな便がどのくらい出たのかを、親がなるべく把握しておくことが大切です。
また、子どもは遊びに夢中になるとつい便意を我慢してしまうことがあります。便が出ずに硬くなると、排便時におしりが痛み、その痛みからトイレに行きたくなくなってしまうことも。すると、さらに排便しにくくなり、悪循環になってしまいます。
便秘になると腹痛症状のほか、イライラしたり集中力が低下したりしがちです。1日を快適に活動的に過ごすには、やはり排便はとても重要。生活リズムの基礎ができる幼児期に、排便習慣についてもきちんと身につけさせてあげましょう。
便の回数はどのくらいがよいの?
◎適正な回数は? 便秘とは?
毎日出るに越したことはありませんが、3日に2回程度出ていればOK。一般的に、排便が5日以上ない、週に2回以下の場合は便秘に該当します。
◎回数が多すぎても問題?
1日に2~3回までは問題ありませんが、それ以上の場合は過敏性腸症候群のおそれも。原因はストレスだとされています。一般にストレスがかかると男の子は下痢に、女の子は便秘になりやすいといわれています。
よい便ってどんな便?
よい便とは俗にいう「バナナうんち」で、色は黄色から黄褐色。においがきつくなく、さほどいきまずにストンと落ちるもの。硬さは練り歯みがき程度で、おしりを拭いても紙にあまりつかず、軽く水に浮くようなものが理想的といわれています。
便秘解消のためのポイント
食 事
◆食物繊維をとる
食物繊維には水溶性と不溶性があり、働きが異なります。
〔水溶性〕腸内の乳酸菌やビフィズス菌を増やし、腸内環境をよくして便通を整える。おもに熟した果物、海藻、こんにゃくなどに多く含まれる。
〔不溶性〕腸のぜん動運動を促し、便の量や回数を増やす。おもに穀類、きのこ、ごぼうなどに多く含まれる。
◆和食を食べよう
食の欧米化から肉の摂取量が増え続けていますが、これにより腸内環境は悪化しているといわれています。便秘解消には穀物、野菜、豆類、魚などを多く含む、昔ながらの和食を積極的に食べましょう。
生 活
◆ゆとりあるスケジュールに
朝食後30分経たないと排便に至らないことが多いため、登園やお出かけを控えているときはそれも計算に入れ、余裕をもったスケジュールを組みましょう。
◆出なくてもよいので必ずトイレへ
便意がなくても、とにかく毎日、朝食後に必ずトイレに座らせるようにしましょう。そうすることで体に自然と排便習慣がついていきます。便が出たらほめてあげましょう。
運 動
◆外遊びをして腹筋を刺激
スムーズな排便には腹筋の力も大切です。外で思いきり遊ぶと自然と腹筋が使われ、鍛えられます。意識的に外遊びをしていきましょう。
◆腸を刺激する体操を
子どもを仰向けに寝かせて足首を持ち、ひざを曲げて脚をグーッとお腹に近づけた状態で、腸のある下腹部を刺激するように、左から右へ脚全体を回します。逆回し(右から左)も同様に行ないます。
☆月刊誌『灯台』2016年12月号「ヤング・ミセス・プラザ」より転載