子どもの成長を促す我慢する力の上手な育て方

我慢する力は幼少期だけでなく成長してからも集団生活を営んでいくうえで必要不可欠な力です。日常のなかで、我慢する力を上手に育んでいきましょう。

我慢させるなら理由を説明し、納得させてからにしよう

 2、3歳ごろの「イヤイヤ期」を皮切りに、年齢が上がるにつれて、子どもに我慢をさせなければならない場面はたくさんありますよね。でも、我慢ばかりさせるのも……と悩むママも多いかもしれません。
 社会のなかで生きていくためには、ある程度の我慢を覚えさせていくことも必要です。ただし、なぜ我慢しなければならないかをきちんと説明し、納得させてあげることが大切です。納得していれば、我慢をするなかで、子どもは自制心や善悪の判断基準を身につけていくことができるからです。
 一方、理由がわからないまま我慢を強いられると、まるで自分自身が否定されているように感じるため、自尊心や自己肯定感が低下してしまいます。 
 我慢は、させ方次第で子どもにとってプラスにもマイナスにもなります。我慢をさせる必要があるときは、子どもの心に届く言葉で説明し、成長を促す機会にしていきたいですね。

こんなことしていませんか? ~子どもの我慢にまつわるNG集~

◎威圧的に押さえつける
「ダメったらダメ!」などと強制的に押さえつけると、恐怖心からその場は我慢しますが、理由がわからないため同じことを繰り返す場合も。

◎基準がコロコロ変わる
同じことなのに、あるときは「いい」と言い、あるときは「ダメ」と言うなど、大人の気分や都合で変わると、子どもは混乱し、善悪の判断基準がつくれなくなってしまいます。

◎まったく我慢させない
子どものわがままを聞いてしまうほうが楽なときもありますが、子どもの言いなりで我慢をまったくさせないと、わがままを助長することに。自制心も育ちません。

我慢する力を育てるコツ

子どもに我慢をさせる必要があるときは、理由を説明して納得させるとともに、以下のような点にも留意するとよいでしょう。

◆まず子どもの思いを受け止める
応えられない要求を子どもがしてきても、まずは「そうだね」と気持ちを受け止めましょう。受け止めてもらうことで信頼感を抱き、我慢をする余裕が生まれます。

◆見通しを立てる
「今日はお菓子を買えないけど、日曜日は1つだけ買ってあげるね」など、先の見通しを立ててあげると希望が持てるため、納得しやすくなります。

◆代案を考えさせる
要求と現実が折り合わないときは、「じゃあ、どうするのがいいかな」と子どもに代案を考えさせるようにすると問題解決能力が養われます。「こうしたらどうかな」と親が提案してもよいでしょう。

◆親も我慢する姿勢を見せる
「お菓子食べたいけど、ご飯食べられなくなっちゃうから我慢しよう」などと、親も子どもの前で我慢する姿勢を見せるようにすると、子どもも自然と我慢ができるようになります。

我慢ができたらちゃんとほめよう!

我慢をすることは、なかなかストレスがかかる行為です。大人から見ればごく小さな我慢であっても、子どもにとっては大きな努力を要することも多いものです。我慢できたらしっかりとほめてあげましょう。ほめられることで我慢できた自分に自信が持て、より難しい我慢に挑戦する意欲も高まります。

☆月刊誌『灯台』2016年8月号「ヤング・ミセス・プラザ」より転載