かゆみや痛みを防止!子どもの肌を乾燥から守ろう

次第に空気が乾いてくるこれからの季節。子どもの肌はその特徴から乾燥肌になりがちです。しっかりケアし、乾燥からくる肌トラブルを防ぎましょう。

乾燥により“バリア機能”が低下  入念なケアを心がけて

 みずみずしくなめらかな子どもの肌は、大人からするとうらやましく感じることも多いものですが、実は非常にデリケートなため、大人以上にしっかりとしたケアが必要です。
 肌の一番外側にある角質層には外部刺激から肌を守る“バリア機能”がありますが、子どもの角質層は大人と比べて半分から3分の1くらいの厚みしかありません。また、角質層は皮脂膜に覆われ、これにより乾燥から守られていますが、子どもは皮脂の分泌量が非常に少ないため、角質層が乾燥しやすいのです。角質層が乾燥すると“バリア機能”が低下して外部からの刺激に敏感になるため、かゆみなどのトラブルも出やすくなります。
 もともと空気が乾燥しているうえ、暖房器具などの使用でさらに乾燥しがちなこれからの季節は、特に念入りに肌をケアすることが大切です。頬や手といった見える部分のほか、衣服に隠れたお腹やすねなどが乾燥していることもあります。入浴時などに全身をよく見てチェックするようにしましょう。

乾燥肌を放っておくと…

乾燥肌は放置するとさまざまな症状を併発することもあります。日ごろから、保湿などのケアをし、改善されないようなら皮膚科を受診しましょう。

◎かゆみから眠れないことも
乾燥肌はかゆみを引き起こしますが、かゆみがひどいと寝ながらかきむしってしまったり、眠れなくなってしまったりすることも。

◎感染症の原因に
乾燥すると肌の〝バリア機能〟が低下するため、水いぼやとびひなど、皮膚の感染症にかかるリスクも高まってしまいます。

◎アトピー性皮膚炎の原因にも
アトピー性皮膚炎の原因ははっきりとはわかっていませんが、乾燥肌も引き起こす要因の一つだと考えられています。

子どもの乾燥肌対策 基本のポイント

乾燥肌を防ぐには、肌への刺激を抑え、保湿に努めることが大切です。ポイントをいくつか紹介します。

◆お風呂では洗いすぎに注意
毎日のようにボディソープや石けんをスポンジにつけてゴシゴシ洗っていると、皮脂が流れ落ち、乾燥肌に。石けんなどの使用はおしり付近やよごれの気になる部分にとどめ、素手で洗うとよいでしょう。

◆お風呂の湯温は高くしすぎない
熱すぎるお湯に浸かると皮脂が取れやすくなってしまうため、湯温にも注意が必要です。大人も子どもも一般的に38~40℃が適温とされ、冬であっても40℃程度が理想的でしょう。

◆お風呂上がりに保湿を
お風呂上がりは肌が水分でうるおっていますが、お風呂から上がって10分くらいで急速に水分が蒸発してしまうため、10分以内にローションや保湿クリームで保湿しましょう。

◆手洗い後のケアを忘れずに
感染症予防のために手洗いが励行されますが、そのために手はひびやあかぎれにもなりやすい状態です。ときどき保湿剤やクリームをぬるなど、手荒れ予防に努めましょう。

乾燥肌になってしまったら、こんなところにも注意!

◆爪はしっかりと切る
乾燥でかゆみが起こると、子どもは我慢できずかいてしまうもの。このとき爪が伸びていると皮膚がかき壊され、感染症を起こしやすくなってしまいます。日ごろから爪はこまめに切っておきましょう。

◆衣服のサイズや素材もチェック>
乾燥肌になると、衣服によって締め付けられる部分にもかゆみが出やすくなります。サイズの小さなものや化繊など肌への刺激が強い素材のものは避けましょう。

☆月刊誌『灯台』2016年11月号「ヤング・ミセス・プラザ」より転載