生命と暮らし 地域の魅力を守り抜く!

衆議院議員/公明党 幹事長
石井啓一さん

石井啓一さんは長年、北関東エリアの魅力をつなぐインフラ整備に力を注いでいます。また国土交通大臣を務めた約4年間に、自然災害への対策を大きく推進しました。

いっそう住みやすく魅力溢れる地域に

 北関東エリアはもともと、東京方面に向かって縦に放射線状に整備が進んでいった地域です。それが圏央道や北関東自動車道などの交通網が整備されたことで、横方向にも人や物の大きな流れが生まれるようになりました。これにより内陸の産業連携が進み、新たな工業地帯もつくられるようになったのです。そこに北関東がもともと有する豊かな観光資源や自然環境が加わり、北関東はいっそう住みやすく、魅力溢れる地域になったと言えるでしょう。
 こうした地域の豊かさを守っていくために重要なのが、近年特に凶暴化している自然災害への備えです。私自身、国土交通大臣を約4年務めるなかで、そのことを強く実感してきました。そして災害が起きるたびに、そこからさまざまな教訓を得て、防災対策を講じてきたのです。
 その起点となったのが、2015年に発生した関東・東北豪雨災害(平成27年9月関東・東北豪雨)です。この災害は、私が国交相に就任する1ヵ月前に発生しました。この時は、関東平野東部を流れる鬼怒川が破堤したのですが、住民の方々の多くは、鬼怒川が破堤するとは思いもよらなかったなかで逃げ遅れ、ヘリコプターやボートによる救助活動が行われたのです。この災害を経て、その後、全国で「水防災意識社会再構築ビジョン」を策定し、ソフトとハード両面からの対策を講じました。
 まずハード面では、堤防の天端と呼ばれる部分の舗装や法尻と呼ばれる部分へのブロック設置などを行いました。破堤を完全に防ぐことはできなくても、破堤しにくくすることで、避難する時間を確保するための対策です。
 ソフト面では迅速に情報を伝達するプッシュ型の「エリアメール」の配信や、いざという時のために自分の避難行動をあらかじめとりまとめておく、「マイ・タイムライン」の実施を、鬼怒川流域の地域から開始しました。「エリアメール」は関東・東北豪雨災害以降、国が管理する109の水系の流域となる全国700以上の市町村で順次配信されるようになり、「マイ・タイムライン」の取り組みも全国に広がっています。

2019年10月14日、台風19号で被害を受けた茨城県水戸市を視察

防災教育にも力を注いでいく

 かつて民主党政権時代に、「コンクリートから人へ」とのスローガンのもと、ダム建設にストップがかけられました。しかし、2019年9月に完成した利根川上流の八ッ場ダムは、完成の翌月に発生した台風19号が猛威を振るうなかで、利根川の水位を1メートル下げる役割を果たしたのです。もしダムがなければ、どうなっていたことでしょうか。
 一方、西日本においては球磨川上流の川辺川ダムの建設は中断したままです。そのなかで今年7月に九州地域で発生した集中豪雨(令和2年7月豪雨)では、球磨川流域が氾濫。甚大な被害が生じてしまいました。こうしたことからも、防災・減災のためのインフラ整備の必要性は明白です。
 しかし、ハード面の整備は時間がかかるため、いつどこで起きるかわからない災害に備え、平時から災害に関する知識を身につけておくためにも、防災教育などのソフト対策が重要です。防災教育にはいっそう力を注いでまいります。特に今はコロナ禍のなかでの災害を想定する必要があります。避難所によっては、定員を減らしているところもありますので、自治体からの情報を確認しながら、早めの分散避難が求められます。
 これからも災害対策をしっかりと講じながら、人々の生命と暮らし、そして地域の魅力を守り抜いてまいります。

☆月刊誌『灯台』2020年11月号より転載

→―地域特集― 北関東エリア 埼玉・茨城・群馬・栃木 まとめページ
→北関東エリア特集 今日も埼玉を北関東を駆け巡る!輿水恵一さん(公明党 地方議会局次長)
→北関東エリア特集 ―特別対談― 太陽のごとく日本の未来を照らす森田実さん(評論家)福重隆浩さん(公明党 群馬県本部代表)
→北関東エリアでの公明党の実績を紹介


石井啓一さん いしい・けいいち●1958年、東京都生まれ。東京大学を卒業後、建設省(当時)に入省。1993年に旧東京5区より衆議院議員に初当選。これまで財務副大臣、国土交通大臣を歴任。現在、公明党幹事長、憲法調査会顧問、税制調査会顧問、茨城県本部顧問を務める。