幼児期は耳の成長期でもあるといわれています。身近なものを使って遊びながら音に対する興味や、音を聞く力、聞き分ける力を育てていきましょう。
耳の機能は4歳から6歳頃に最も発達します
生まれてすぐの赤ちゃんは、世の中のすべての音を完全に聞き分ける耳の力を持っているといわれています。幼いときのほうが外国語を習得しやすいというのもそのためで、たとえば5ヵ国語が日常的に使われる環境で育てば、自然と5ヵ国語が話せるように育つのです。
このような耳の力(聴感覚)は、幼いときほど柔軟で発達しやすく、特に4歳から6歳くらいまでの間に目覚ましい成長を見せ、その後は横ばい状態になります。つまり、4歳から6歳の間がまさに「耳の成長期」と言えるのです。
この時期に、さまざまな音を聞いたり、楽器を奏でたりするなど、音を楽しむ遊びを体験させてあげて、音に対する興味や耳の力をバランスよく育てていきましょう。
この音なーんだ?①
電車や自動車などの乗り物や動物のぬいぐるみなど、その音や声がわかりやすいおもちゃを子どもの前に並べます。「ガタンゴトン」「ブッブー」「にゃー」などそれぞれの音の擬声語を聞かせて、どの音かを当てさせます。おもちゃでなくても、その絵が描かれたカードや写真の切り抜きでもOK。洗濯機や水道など、生活のなかで聞こえる音もよいでしょう。
この音なーんだ?②
子どもが名前を知っていて、揺すると音が出るものを3種類ほど用意します。それを1つずつ紙袋に入れ、それぞれ袋に入っているものの名前と揺すったときの音を聞かせます。次に子どもに袋を1つずつ揺すらせて、中に入っているものを当てさせます。
〈音の出るもの〉
鈴、小石、小銭、鍵の束、米、おもちゃのブロックなど
どんな音がする?
身近なもので楽器を作ってみよう!
◆空き瓶でドレミ
〈用意するもの〉
空き瓶(3個~)/水/金属製のスプーン
〈作り方〉
空き瓶に水を入れます。
※スプーンで叩くと水の量によって音の高さが変わるので、量を調節しながら音階を作ってみましょう。
◆カスタネット
〈用意するもの〉
かまぼこの板(大きさが同じものを2つ)/画びょう(金属製のものを2個)/ゴムひも(20cmくらいのものを1本)/キリ
〈作り方〉
①かまぼこの板の端にキリで2ヵ所穴を開けます。
②2枚の板を重ね、穴にゴムひもを通して結びます。
※2枚の板の内側に、画びょうを刺すといい音がします。指を挟まないよう注意しましょう。
◆でんでん太鼓
〈用意するもの〉
紙皿(直径15cmくらいのものを2枚)/割り箸(1膳)/糸(10cm×2本)/大きめのビーズ(2個※穴の開いたもの)/ホチキス/ガムテープ
〈作り方〉
①紙皿を2枚重ねてホチキスで数ヵ所とめ、紙皿の間に割り箸を差し込んでガムテープで固定します。
②2本の糸をそれぞれ紙皿の両端にガムテープで固定し、反対側の糸の先にビーズを結びつけます。
※ビーズを紙皿に当てて、音を楽しみましょう。
◆輪ゴムでギター
〈用意するもの〉
アルミの空き缶(1個)/輪ゴム(4本)/ビニールテープ
〈作り方〉
①空き缶の飲み口をビニールテープでしっかり覆います。
②輪ゴムを空き缶にかけて、ビニールテープで固定したら表面を少し潰します。
※空き缶表面の凹凸によって輪ゴムをはねたときの音が変わります。
☆月刊誌『灯台』2013年7月号「ヤング・ミセス・プラザ」より転載