親子で楽しく!体幹を鍛える遊び

体を支え、バランスをとるために大切なのが「体幹」。体幹は、幼児期でも遊びのなかで鍛えることができます。親子で触れ合いながら、体幹を強化していきましょう。

遊びのなかで、楽しく体幹を鍛えよう!

 体を支え、バランスをとる時に重要な役割を果たすのが体幹。近年、「体幹を鍛えると、健康やダイエットによい」などといわれることが多くなり、注目を浴びています。じつは、体幹がしっかりと育っているかどうかは、子どもの運動能力や良い姿勢を保つなどの基礎体力の向上にも非常に大切なのです。しかし最近は、体幹がしっかりと育っていない子が増えているといわれています。
 幼児期にさまざまな運動遊びのなかで、全身の筋肉をくまなく動かす経験をした子は、体幹の強い子に育ちます。ポイントは、手足だけではなく、胴体や体全体を動かしながら、めいっぱい遊ぶこと。特別な遊びをする必要はありません。よく知られる日常的な遊びのなかにも、体幹を鍛えることができる要素はたくさん含まれています。
 そこで今回は、親子で一緒にできる〝体幹遊び〟を紹介します。親子のスキンシップを兼ねて、楽しくチャレンジしてみてください♪

「体幹」っていったい何?

「体幹」とは、手足や頭部を除いた体の〝胴体部分〟のこと。ここには、骨盤、背骨、あばら骨、肩甲骨などの骨や、さまざまな運動をする時に必要な筋肉がたくさんあり、姿勢の維持や、運動の際に体を安定させたり、動きを生み出す土台として、大切な役割を果たします。
体幹が育っていないと、つまずいたり、転んだりすることも多くなります。体を動かす遊びをたくさん取り入れて、体幹を鍛えましょう!

体幹を鍛えるメリット

姿勢が良くなる

運動能力が高くなる

バランスを保ちやすくなり、けがを防げる

《ハイハイは、体幹を鍛えるのに好適な運動!》

赤ちゃんが歩き始める時期には個人差がありますが、早く歩かせることよりも大切にしてほしいプロセスがハイハイ。首や肩、背筋・腹筋などの体の中心の筋肉で、全身のバランスを保ちながら手足を動かすハイハイは、体幹を鍛えるのに好適な運動です。歩き始めてからもあえてハイハイで遊ぶ機会をつくってみるとよいかもしれませんね。

1歳におすすめ! ハイハイを楽しむ遊び

◆待て待て追いかけっこ!
ハイハイをすると、大人がついてくるのが楽しい遊び! 子どもがハイハイで進んだら、「待て待て~」と言いながら、大人がその後をハイハイで追いかけます。子どもが止まったり、立ち上がって歩き始めたら追いかけるのをやめ、再びハイハイをし始めたら、またハイハイで追いかけましょう。

◆お布団アスレチック
布団を重ねて山や段差にしたり、トンネルにしたりして、コースをつくり、子どもにハイハイで進ませます。大人が体や脚でトンネルをつくって、その下をくぐるように促してもOK!

親子で楽しめる!室内でもできる体幹遊び

体幹は、体を動かすさまざまな遊びのなかで鍛えられます。ここでは、ぶら下がる、跳びはねる、バランスをとるなどの動きを中心に、室内でも楽しめる遊びを紹介します。

難易度 ★☆☆

◆手つなぎころりん
大人と子どもが仰向けに寝て、頭の上で両手をつなぎます。そのまま体をねじったり、足の力を使いながら、同じ方向に転がります。数回転したら、今度は逆の方向に転がります。

難易度 ★★☆

◆グルリンパ!
子どもと大人が向かい合わせに立って手を握り、子どもが逆上がりのように、大人の脚を駆け上がって一回転します。大人は膝をそろえて中腰の姿勢になると、子どもが足をかけやすくなります。肩がねじれないように、着地したら手を離しましょう。

難易度 ★★☆

◆ジャンプで抱っこ
子どもと大人が向かい合わせに立って、手をつなぎ、「イチ、ニノ、ジャーンプ!」のかけ声で子どもにジャンプをさせます。最後の「ジャーンプ!」の時に、子どもを上に引き上げ、大人の胴体を両脚ではさむようにさせながら、しっかりと抱っこの体勢になります。

難易度 ★★★

◆ぴょんぴょんレース
45Lのゴミ袋に両脚を入れて、バランスをとりながらジャンプで少しずつ進み、ゴールを目指します。ゴミ袋にはあらかじめ、右図のように持ち手となる切り込みを入れておくとよいでしょう。ゴミ袋の強度が足りない場合は、2枚重ねて使用してください。
※すべりにくい床で十分に注意して遊びましょう

難易度 ★★★

◆手押し車で神経衰弱
同じ大きさの厚紙6枚に、2枚ずつ同じ絵柄を描き、合計3組の絵柄カードをつくって、床にばらまいておきます。子どもは両手をついてうつ伏せになり、大人に両足を持って支えてもらいながら、両手を交互に動かして前に進み、カードをめくります。初めにめくったカードと同じ絵柄のカードを探しながら、左右の手で次々とカードをめくりましょう。

難易度 ★★★

◆壁で逆さま
壁の前で、床に両手をつき、壁を登るように足を高くしていきます。登り切ったら、そのままの姿勢をしばらく維持します。慣れてきたら、逆さまの状態で手を壁のほうへ少しずつ近づけながら、足の位置も高くしていきましょう。

体幹を鍛える外遊び

外遊びにも、体幹を鍛える要素がたくさん! 寒さに負けずに、楽しく全身を動かしましょう☆

▶全身を使う運動
…ジャングルジムやアスレチック

▶走る、止まるなどのように動作を素早く切り替える運動
…鬼ごっこ

▶バランスを保つ運動
…ブランコ、シーソー、竹馬

☆月刊誌『灯台』2022年12月号「子育てプラザ」より転載