手軽で多くの人に親しまれているカードゲームは、ルールを工夫すれば、3歳くらいの幼児から遊ぶことができます。世代を超えて楽しめるカードゲームの遊び方を紹介します。
幼児にもわかるようにルールを工夫して家族で楽しいひと時を
トランプなどのカードゲームは、家族の団らんにぴったり。手軽なうえに、ママやパパだけではなく、おじいちゃん、おばあちゃんなども交えて、世代を超えて楽しむことができます。
カードゲームのなかでもトランプは、子どもが数を覚えたり、集中力を養ったりするうえでもとても優れた知育ゲームといえます。また、ルールを守りながら楽しく遊ぶことの大切さを学ぶのにも、役立ちます。ただ、幼児にとっては、本格的なトランプ遊びは、カードの数が多すぎてうまく扱えなかったり、途中で飽きてしまったりと、まだ難しいかもしれません。そんな時には、遊び方をちょっとアレンジ。使用するカードの数を減らすなどしてルールをシンプルにすれば、小さな子どもでも、無理なく遊べます。
今回紹介するカードゲームは、3歳くらいから楽しめるものばかり。初めのうちは、手札を人に見せないように持つことすら難しいかもしれませんが、何度も遊ぶうちに、少しずつ上達していきます。楽しく遊んで、家族のコミュニケーションを深めましょう。
みんなで楽しもう!
子どもにおすすめのトランプゲーム
ちいさな子どもでも遊びやすいゲームを紹介します。
★の数でレベルを表していますので、慣れてきたら、少しずつ難しいゲームにも挑戦してみましょう。
ぶたのしっぽ【レベル★】
すばやい反応が必要になるハラハラドキドキのゲーム。数字を理解していない子どもでも、マークさえ認識できれば遊べます。
使うカード:ジョーカーを除く52枚
① カードを裏向きにし、ぶたのしっぽのように丸く広げます。
② 順番に、好きなカードを1枚めくり、場に出します。
③ 前の人と同じマークが出たら、全員が場に出してあるカードの上に手を重ねます。この時、手を重ねるのが一番遅かった人は、場に出ているカードを全て引き取ります。
④ ①で広げたカードが全てなくなったら終了。手持ちのカードの枚数が少ない人が勝ちです。
かるた【レベル★★】
トランプでかるたをしてみましょう。数字を覚える練習にも役立ちます。
使うカード:ハートのA~10、クラブのA~10
① カードを全て表にして、場に広げます。
② 読み手が「赤の3」「黒の8」のように、
場に出ているカードを読み上げます。
③ 読まれたカードをかるたのように取っていき、場にカードがなくなるまで続けます。取ったカードが一番多い人が勝ち。
カードが多すぎて扱いにくい場合には、絵柄(J・Q・K)のカードを除くなど、枚数を減らして遊んでみましょう。「A(エース)」のカードには、マジックペンなどで、「1」と書き添えてあげると、わかりやすくなりますよ。
大きさ比べ【レベル★★★】
同時にカードを出し、数の大小を競います。瞬時に数の大小を見極める力をつけることができます。
使うカード:各マークのA~10
※「A(エース)」は「1」とみなします。
① 同じ枚数のカードを配り、余ったカードはよけておきます。
② 自分の手札は裏向きのまま重ねて置き、手札の一番上のカードを「せーの!」のかけ声で一斉に場に出します。
③ 一番大きな数のカードを出した人が勝ちで、場にあるカードを全てもらえます。
④ 全員に同じ数字が出て、勝敗がつかない場合は、それらのカードは場に置いたまま、次のカードを出して数の大きさを競い、勝った人が全てのカードをもらえます。
⑤ 初めに持っていた手札がなくなるまで続け、一番多くのカードをもらった人が勝ちです。
ババ抜き【レベル★★★★】
隣の人のカードを1枚引き、手札のカードと同じ数字のカードだったら、場に捨てていく定番ゲーム。幼児と遊ぶ場合には、下記を参考に、子どもの理解しやすいルールを工夫してみましょう。
使うカード:ハートのA~10、クラブのA~10、ジョーカー1枚
<幼児と遊ぶ時のコツ>
赤と黒のカードを1柄ずつ使い、絵札(J・Q・K)を除いて遊びます。「6」と「9」の判別が難しい場合には、どちらかの数字を抜いてしまってもよいでしょう。慣れてきたらダイヤとスペードのカードも加え、枚数を増やして遊んでみましょう。
五ならべ【レベル★★★★★】
「七ならべ」の簡単アレンジ。7の代わりに、5を中心に、A~9までのカードを並べます。数字を覚えたての場合は、さらにカードを減らして「四ならべ」にしてもよいですね。
使うカード:各マークのA~9
① 全てのカードを配ります。
② それぞれが手札を見て、5があったら場に出し、縦1列に並べます。
③ 順番に、同じマークで場に出ているカードに続く数字のカードがあれば、出して並べていきます。出せるカードがない場合には、パスをします。
④ 手札が早くなくなった人が勝ちです。
数字を知らなくても遊べる!
手づくりカードゲーム
数字を知らなくても遊べるカードを手づくりしてみましょう。
▶カードのつくり方
名刺サイズのカードに丸型シールを2枚ずつ、絵のような組み合わせで貼ります。36枚のカード全てが違う色の組み合わせになるようにしましょう。
材料:名刺サイズのカード36枚、丸型シール(径30㎜)8色×各9枚
※ここでは、シールの色はアルファベットで表しています。参考例:Aは赤色、Bは青色
※名刺サイズのカードや丸型シールは100円ショップなどで販売されています。カードは厚めのほうが扱いやすいでしょう。丸型シールが手に入らない場合には、色つきのペンなどで、円を描いてもよいでしょう。
神経衰弱【レベル★】
全てのカードを裏にして広げます。カードを2枚続けてめくり、1つでも同じ色のシールが貼られているカードを見つけたら、その2枚をもらえます。
<遊び方のコツ>
トランプの神経衰弱よりも、同じ色のシールが出る確率が高いので、ちいさな子どもでも無理なく遊べます。
同じ色の組み合わせができなくなるまで続け、もらったカードの枚数が一番多い人が勝ちです。
スピード【レベル★★★】
2人で向かい合って、早さを競う真剣勝負。
① 同じ枚数のカードを配り、手札を裏返したまま片手に持ちます。
② 手札の上からカードを取り、4枚を表向きにして、自分の前に並べて場札にします。
③ 「せーの!」のかけ声で、手札の一番上のカードを、中央に同時に出します。
④ 場札の4枚のカードのうち、中央にあるカードと1つでも同じ色のシールが貼ってあるカードがあれば、すばやく重ねて出します。相手の出したカードの上に重ねてもOK。場札のあいたところには、手札からカードを出し、常に4枚のカードがあるようにします。
⑤ お互いに出せるカードがなくなったら、また「せーの!」の声をかけながら、手札の一番上のカードを同時に中央に出します。
⑥ 1人でも出せるカードがなくなったら終わりです。場札と手札に残っているカードが少ない人の勝ち。
☆月刊誌『灯台』2020年2月号「子育てプラザ」より転載