春を感じながら植物とふれあおう

暖かい日差しを待ちわびていたかのように一斉に芽吹く春の植物。季節の移ろいを感じながら自然と一緒に遊んでみましょう。

身近な自然から、春の息吹を感じよう!

 春は芽吹きの季節。公園やいつもの散歩道では、さまざまな植物を見かけるようになるでしょう。そこで今回は、子どもと楽しめる植物とのふれあい遊びを紹介します。
 春の木々や草花には、目に見える変化がたくさん。よく観察すると、いつもはあまり気に留めないような草木にも、瑞々しい生命の息吹が感じられることでしょう。花の色、葉の手触り、土の匂いなど、五感を使って草木とふれあうことで、小さな子どもも季節を身近に感じることができます。
 そんな春だからこそおすすめしたい、草花遊び。街中では、公園の広場などにひしめきあうように生える、タンポポやシロツメクサなどを見かけ、山などに行けば、原っぱを埋め尽くす草花が、まるで「遊んで!」と言わんばかりに迎えてくれます。昔から伝わる楽しい遊びを紹介しますので、ぜひ遊んでみてください。
 気候も穏やかになり、過ごしやすくなるこの季節。今度のお休みは、家族揃って、春を見つけに出かけてみませんか?

春に出あおう!身近な自然の観察遊び

身近な木々や草花に近づいて、じっくりと観察をしてみましょう。色、手触り、匂いなどの感覚をふれあいのきっかけにすると、自然への親しみがわいてきます。

葉っぱ探し・葉っぱの図鑑

 長い葉っぱ、丸い葉っぱ、つるつるの葉っぱ、ふわふわの葉っぱ。葉っぱには、さまざまな色や形、手触りのものがあります。親子で違う種類の葉っぱを探して見せあったり、葉っぱを画用紙などに貼って、オリジナルの図鑑をつくってもよいですね。

こんな形の葉っぱは見つかるかな!?


100円均一などで売っている丸型シールに、ペンで目を描き込んで貼りつければ、表情豊かな〝顔〟のできあがり! 葉っぱにニックネームをつけて遊ぶのも楽しそうですね。

春のスナップ

 草木の芽吹きや花の開花など、変化の多い春を時系列で観察すると、いろいろな発見があります。同じ場所を1週間おきに訪れ、変化の様子を写真に撮って記録してみましょう。撮った写真をプリントアウトして並べてみると、子どもにも違いがよくわかります。

 風景のようなマクロの視点と、草木の芽吹きなどのミクロの視点の両方で観察すると、おもしろい記録になります。写真を画用紙に貼りつけて、観察日記にしてもよいですね。
 


みんなで遊ぼう!草花遊び

 昔の子どもたちが、創意工夫を重ねてつくりあげた草花遊び。ママやパパたちが小さい頃に遊んだ懐かしの遊びもあるのでは?

身に着けて遊ぼう!

 お姫様気分になれるアクセサリー。つくり始めると、男の子も夢中になりますよ!

◆ネックレス

使う植物:タンポポ

①茎の下の方に、爪で裂け目を入れる。

②別のタンポポの茎を裂け目に通し、その作業を次々に繰り返して繋いでいく。

③最後の茎には、長めの裂け目を入れ、最初の花をくぐらせて輪にする。

※茎のしっかりとしたタンポポでつくりましょう

◆腕時計

使う植物:タンポポ

①茎を爪で2つに割く。

②割いた茎を腕に回して、茎を結ぶ。

※茎の長いタンポポを探しましょう

◆かんざし

使う植物:タンポポ、マツ葉

タンポポの花に、マツ葉を差し込む。

◆花かんむり

使う植物:シロツメクサやレンゲソウ

①1本の花を芯にして、別の花を重ねて絡める。

②花の向きが、1つ前の花と逆になるように重ねて絡め続ける。

③頭の大きさに合わせて輪にしたら、初めの花に終わりの茎を巻きつける。ところどころで茎を結ぶと抜けにくくなる。

※花の下を少し揉み、茎を柔らかくしておくと、きれいに巻きつけやすくなります

◆指輪

使う植物:シロツメクサやレンゲソウ

①2つの花の茎を結ぶ。

②茎を指に結びつけ、余った茎を切る。

◆ぞうり

使う植物:葉っぱ

①葉っぱを図のように、爪で切る。

②切った部分を折り曲げて、葉っぱの先端に差し込む。

※公園の木や街路樹には、大きな葉をつける木が植えられていることも。落ち葉を使って、実際に足に履いてみても楽しいですね!

動かしたり、当てっこして遊ぼう!

 春の植物で、楽しいおもちゃをつくりましょう。

◆ふきだま

使う植物:タンポポ、木の実(ハルジオンの蕾や桜の実など)

①長めのタンポポの茎の先を4~6つに割く。

②割いた部分を水につけると、くるっと丸まる。

③茎の丸まった部分に木の実をのせ、反対側を口にくわえてそっと吹くと、木の実が浮き上がる。

◆かざぐるま

使う植物:レンゲソウ、タンポポ

①レンゲソウの茎を、花から2cmくらいのところで切り、太めのタンポポの茎に挿す。

②別のタンポポの茎を使ってそっと息を吹きかけると、レンゲソウがくるくると回る。

◆どこくっついた!?

使う植物:ツクシ

①ツクシの茎をはかまのところで切り、元に戻す。

②どこで繋いだかを、当てっこしあう。

お花屋さんごっこで遊ぼう!

◆小さなブーケ

植物を束ねて、布でくるめば、素朴なブーケのできあがり!

①植物を輪ゴムで束ね、茎の切り口をティッシュペーパーで包む。

②ティッシュペーパーを水で湿らせてから、アルミホイルを巻く。下から上へ折り上げておくと、水が漏れにくい。

③ピンキングはさみなどで切った布を巻いて、アルミホイルを隠し、リボンなどをきつく結ぶ。

※植物を持ち帰る時には、濡らした新聞紙などで茎の切り口を包んで、ビニール袋にそっと入れるか、バケツの水につけておくと、しおれにくくなります

確認してから遊びましょう

●むやみに草花をむしらないように、取ってよいものか、取ってはいけないものなのかを教えましょう。

●ハチや毛虫など、有害な虫がつきやすい植物もあるので、大人がよく確認してから触らせるようにしましょう。

☆月刊誌『灯台』2019年4月号「ヤング・ミセス・プラザ」より転載