子どもの好奇心をくすぐる虫めがね。親子で遊びながら、身近な場所にある不思議や発見を楽しんでみましょう!
大人も一緒に、じっくりと観察してみよう
ものを拡大して見ることのできる虫めがねは、子どもの知的好奇心を育むのにぴったり。普段見ている世界も、虫めがねを通して見るだけで別世界になります。
虫めがねがあれば、都市部でも手軽に自然を感じることが可能です。「道に咲いている花や草の様子は?」「この葉っぱは誰が食べたの?」「アリの行列はどこに向かっている?」など、いろいろなことに注目しながら、子どもと一緒に推理や話し合いをしてみましょう。じっくりと観察すれば、いつもの道でもちょっとした探検気分! 次から次へと発見があり、時間が過ぎるのがあっという間です。
虫めがねの面白さに触れた後には、〝身近にある虫めがね〟を探してみるのはいかがでしょうか。透明なものであれば、いろいろなものが虫めがねの凸レンズと同じ役割を果たします。どのような形のレンズを通すと、ものが大きく見えるのか、考えてみてもよいでしょう。
遠出ができない日々が続きますが、身近な日常にも不思議や発見がたくさんあります。虫めがねを通じて、そんな楽しみを見つけられるとよいですね。
身近なものを見てみよう
虫めがねを使って、身の回りにあるものを見てみましょう。
どんなことがわかるかな? 確かめてみましょう。
◆虫めがねを持って部屋のなかを探検!
部屋のなかのいろいろなものを見てみましょう。どんなふうに見えるかな?
●野菜、果物の表面や断面
●お菓子
●タオル、衣服、カーテン
●新聞、雑誌などの印刷物
●皮膚や髪の毛
●テレビの画面
◆虫めがねで遠くを見てみよう
近くのものが大きく見える虫めがねで、遠くを見ると何が見えるのかな?
◆虫めがねを重ねて見てみよう
2つか3つの虫めがねを重ねてもうまく見えるかな?
※レンズを重ねると、倍率が高くなりますがピントが合わせづらくなります。虫めがねのレンズを、めがねをかける時のように目に近づけて、対象物を前後に動かすとピントの合う位置を見つけやすくなります。
虫めがねを持って出かけてみよう
いつものお散歩も、虫めがねを持つだけで探検気分。ミクロの視点で見てみると、普段は何気なく見ている街路樹や整備された公園にも、じつはいろいろな自然が隠されていることがわかりますよ。
●花びらやめしべ、おしべ
●葉っぱの表面やふち
●木の皮や根元
●石の表面や砂
●虫の体や羽
●マンホールや道路の割れ目
◆小さな自然を探検!ミクロハイクをやってみよう
草むらに1mのヒモを置き、ジャングルの道とします。顔を地面に思い切り近づけて、ヒモにそって虫めがねで観察をしながら、ヒモの道を端から端まで進んでいきます。
足元の草むらがジャングルに早変わり。怪獣のような巨大なアリに遭遇することも! 小さな草花や虫の世界を垣間見ることのできる遊びです。
レンズの不思議を体験しよう
ものは虫めがねのような凸レンズを通して見ると、大きく見えますが、身近なものでもこの現象は体験できます。レンズと同じような見え方をするものを探してみましょう。
◆ビー玉
模様のないビー玉を新聞などの文字の上に置いて、文字の大きさを観察してみましょう。大小のビー玉を使って違いを比べると……?
◆水滴
食品などの包装に使われているポリプロピレン(PP)フィルムの透明な部分を5円玉よりも少し大きめに切り取って、新聞の文字の上などに置き、その上に5円玉をのせます。5円玉の穴に、ストローなどで水を1滴垂らして、周りの文字と大きさを比べてみましょう。
※平らな場所で行いましょう
また、雨上がりに窓ガラスや植物につく水滴をよく観察してみましょう。遠くの景色が逆さまになって見えるのは、水滴が凸レンズの役割をしているからです。
◆ペットボトル
紙に描いた矢印を、水で満たしたペットボトルを通して見てみましょう。紙を横に動かすと、矢印の見え方はどうなるかな? 試す前に、結果を予想しても楽しそうですね。
※ペットボトルは、凹凸のないものを使用しましょう
虫めがね遊びの注意点
虫めがねで太陽を見ると、太陽の光が集まって目が傷つきます。失明につながることもあるので、子どもに使わせる時には十分に注意をしましょう。また、使い終わったら、日の当たらない場所に片づけるようにしてください。
☆月刊誌『灯台』2021年8月号「子育てプラザ」より転載