2人目の誕生、それは一家にとってとても喜ばしいできごとですね。でも、上の子の気持ちは少し複雑……。上の子の気持ちをしっかり受け止め、ケアしてあげられるよう意識しましょう。
赤ちゃん返りは上の子からのSOS!
たっぷり愛情を示しましょう
下の子が生まれると、ママは下の子のお世話で大忙しになります。そこに待ち受けているのが、上の子の「赤ちゃん返り」という問題です。
赤ちゃん返りを経験しないという子ももちろんいますが、一般的に多くの子に見られるものだといわれています。今までできていたことが急にできなくなる、ママにやたらと甘えるなど、ママの関心を引くための行動をとることが特徴で、そのもとにあるのは“赤ちゃんにママを取られてしまうかもしれない”という寂しさや焦りです。こうした行動が見られたら、まずは「ママはあなたのことがとても大事で大好きなのよ」と伝え、愛情を示しましょう。そうすれば次第に落ち着いてきます。
ママにとっては“2回目の子育て”ですが、上の子にとっては初めての“兄・姉”の経験。戸惑うのも無理はありません。上の子の心に寄り添いながら、少しずつお兄ちゃん・お姉ちゃんへと成長させていきましょう。
赤ちゃん返りにはいろいろな形がある
子どもの性格によって表れ方はさまざまです。怒りたくなるような場面でもぐっとこらえ、できるだけ子どもの気持ちに寄り添いましょう。
◎物事ができなくなる
・「ご飯を食べさせて」「着替えさせて」と言うなど、身の回りのことができなくなる
・トイレトレーニングが進まなくなる(オムツが外れていたのにおもらしやおねしょをする)
・ハキハキ話せなくなる
◎甘える
・ママとやたらくっつきたがる
・下の子のようにおっぱいを飲みたがる
・ママが誰かと話していると遮って自分の話をする
・「今すぐ○○したい」などわがままな言動が増える
◎その他
・下の子をいじめる(ママに隠れていじめることも)
・すぐ泣く、すぐ怒る
・表情が乏しくなる
・「お腹が痛い」と言う(甘えたいのを我慢し、その苦痛から実際にお腹が痛くなる場合も)
上の子の赤ちゃん返り対策 ~押さえておきたいポイント~
赤ちゃん返りが始まったら、とにかく上の子への愛情を示すことが大切です。下の子のお世話もあってママも大変な時期ですが、無理のない範囲で取り入れてみてください。
●パパに上の子のケア係になってもらう
赤ちゃん返りには、ママだけでなく、周囲の人の関心が自分から赤ちゃんへ移ってしまった喪失感が影響しています。パパには、特に上の子をよくケアしてもらうようにしましょう。
● ときには上の子と2人きりの時間を
下の子が寝ているときなどに上の子と2人きりで遊ぶ時間をつくり、思いきり甘えさせてあげましょう。休日にパパに下の子を見てもらって、2人でお出かけするのもおすすめ。
● 「マイナス2歳」で接する
たとえば上の子が4歳なら2歳児だと思って接してあげましょう。そうすることで上の子の赤ちゃん返りも自然に受け止められ、ママもイライラしなくなります。
● 現状をそのまま言葉にする
「今、手を洗っているんだね」「絵本読んでいるんだ」など、上の子のしていることをそのまま言葉にします。これだけでも「ママは自分のことを見てくれている」という気持ちになるのです。
● 「お兄ちゃん・お姉ちゃん」の使い方に注意
「お兄ちゃんなのに」など、ネガティブな使い方をすると“上”になることがイヤになります。下の子のお世話を手伝ってくれたときに「いいお兄ちゃんね」と言うなど、ポジティブな使い方をしましょう。
赤ちゃん返りは何歳ごろまで、どのくらいの期間続くもの?
赤ちゃん返りは2歳から8歳ごろに多く見られるといわれていますが、それ以外の年齢でも表れることはあります。期間は下の子が生まれてから半年程度の子もいれば1年以上にわたる子もいるなど、さまざまです。とことん甘えさせたりスキンシップを増やしたりして、「ママもパパも、あなたのことが今も変わらず大好きなんだよ」と示すのがポイント。早い段階からじっくり向き合ったほうが、早くおさまるといわれています。
☆月刊誌『灯台』2017年2月号「ヤング・ミセス・プラザ」より転載