子どもと一緒に絵本に触れ合う時間は親にとっても心の和むひとときですね。今回はそんな時間がさらに楽しくなる、絵本の読み聞かせのコツを紹介します。
大きな満足感が得られ、 メリットもたくさん!
子どもたちは絵本を読んでもらうのが大好きです。そのため、絵本の読み聞かせを、普段の生活に取り入れているという親御さんも多いのではないでしょうか。
読み聞かせには、たくさんのメリットがあります。まず、子どもは、親が自分のために読んでくれているということから満足感と安心感を得られ、情緒の安定につながります。また、読み聞かせを通じて、親子で同じ世界を共有できる点も魅力です。
年齢が上がるにつれ文字が読めるようになると、“自分で読むだろう”と思い、読み聞かせをやめてしまう家庭もありますが、絵と文字の両方を追うのは難しいもの。少なくとも小学校低学年までは続けてあげましょう。楽しく本と触れ合った経験は、やがて、その子自身が本に興味を持つきっかけにもなっていきます。
毎日、短い時間でもよいので読み聞かせタイムを確保し、親子一緒に絵本の豊かな世界を味わっていきたいものですね。
絵本の読み聞かせのメリット
◎大切なことが伝えられる
「命は大切」「ママやパパはあなたが大好き」など、言葉だけでは伝えにくいことを、そのメッセージ性を持つ絵本を使って、うまく伝えられます。
◎問題解決能力が身につく
物語内の問題や解決方法を知ることで問題解決能力が身につきます。「主人公になりきってみようね」などと声かけするとなおいいでしょう。
◎さまざまな力が身につく
たくさんの言葉に触れることで語彙力、思考力が養われます。また、意識して聞くことで想像力や集中力も身につきます。
年齢別 絵本選びのポイント
●1~2歳
絵柄が鮮明なものを。また、繰り返しの構成になっているものはこの年齢の子にもある程度展開が想像できるため、期待感を抱けます。
例)いろいろな動物が代わる代わる同じあいさつ(言葉かけ)をするなど、同じパターンで構成されているもの
●3~4歳
さまざまなものに興味がわく多感な時期なので、絵に力があるものを。ストーリー性があり、展開が楽しいものを選びましょう。
例)子どもが見入るようなダイナミックな画力や、大人の鑑賞にもたえうる芸術性を備えたものなど
●5~6歳
子どもの関心も多様になってくるので、ジャンルはあまり偏らずさまざまな内容のものを。少し長めのものを取り入れてもよいでしょう。
例)図鑑的要素のある科学寄りの絵本や、昔話、設定が海外や架空のものなど
子どもがじっくり楽しめる読み聞かせのコツ
◇表紙から裏表紙まで楽しむ
絵本では、裏表紙にまで物語の続きのような絵柄が描かれていることもよくあります。表紙はもちろんのこと、裏表紙まできちんと見せて、その世界を満喫しましょう。
◇子どもが望むなら何度でも同じ本を
子どもが何度も同じ本を持ってきても「また?」などと言わず、繰り返し読んであげましょう。子どもは大人に比べ、日常のなかで新たな体験をする機会が多いため、心を落ちつかせるために展開がわかっている本を望むことが多いのです。
◇声色を少し変えて雰囲気を出す
体の小さな小動物や子どもは高い声で速く、体の大きな動物や大人は低い声でゆっくりなど、キャラクターごとに少し声色を使い分けても。ただし、あまり大げさだと声色ばかりが気になってしまうので注意しましょう。
◇読み終えたあとにすぐ感想を聞かない
読み終えたあとも、子どもの頭のなかにはまだ物語の世界が広がっているものです。このときに感想などを聞くと、一気に現実の世界に引き戻されてしまうので、控えるようにしましょう。
☆月刊誌『灯台』2016年4月号「ヤング・ミセス・プラザ」より転載