暑い季節が近づいてくると、子どもの汗の量も増え、汗にまつわるトラブルも気になってきますよね。夏本番を迎える前に、子どもの汗対策について確認しておきましょう。
子どもは元来汗かきなもの。こまめなケアを心がけて
6月ともなると日増しに蒸し暑くなり、じっとりと汗ばむ日が多くなってきますね。特に新陳代謝が活発な子どもは、汗をかく量も大人より多いもの。また、汗を分泌する汗腺の数は大人と変わらないのに、体表面積は大人より小さいので、すぐに汗だくになってしまうのです。そうなると、汗の臭いやあせもなど、汗によるトラブルも出てきがちです。
臭いに関しては、子ども自身が気にすることはあまりないかもしれませんが、友だちのお家など、よそのお宅にお邪魔する機会があったりすると、やはりちょっと気がかりなもの。適切なケアを知り、対策を講じてあげたいですね。
あせもは暑い時期の子どもの肌にはつきものの症状の1つですが、放置すると伝染性の「とびひ」などになってしまうことも。普段からこまめに汗を拭くなどの予防に努め、もし症状が出てしまったら早めに対処するようにしましょう。
子どもの汗の臭い対策
子どもはすぐに全身汗だくになってしまうものですが、なかでも特に臭いが気になりがちな、頭と足の汗対策を紹介します。
◎頭
皮脂腺が多く、臭いが出やすい部位。古い皮脂膜を上手に取り除くために、指の腹でマッサージするように洗髪を。頭髪が傷んでいると臭いの分子がつきやすくなるので、ドライヤー使用時は最後に冷風を当てて、髪表面の傷みを予防しましょう。
◎足
靴下や靴に覆われて蒸れやすく、臭いも出やすくなります。帰宅時に足を濡れタオルで拭いたり、水に浸けてあげたりするとよいでしょう。洗面器などに水と一緒に氷も入れてあげると子どもも大喜び! 通気性のよい靴を選び、靴を頻繁に洗うことも大切です。
【 あせもの予防と対処法 】
大量の汗をかいたときに体外に排出しきれず、汗腺から延びた汗管に詰まってしまうとあせもに。水ぶくれや、かゆみを伴う数ミリ程度の赤いブツブツができたりします。
●予防法
- 汗をかいたらこまめに(汗が大量のときは軽く水で流してから)拭く
- 通気性・吸湿性・速乾性のよい服を着せる
- 帰宅後はできるだけすぐシャワーを浴びさせる(夕方であればシャワーや入浴の時間を早めるとよい)
●「とびひ」にも注意!
あせものかゆみで皮膚をかき壊してしまうと、そこから黄色ブドウ球菌などの細菌が侵入し、黄色っぽい水疱ができることも。これは「とびひ」と呼ばれ、水疱の汁は伝染性があるため、汁がついた箇所にどんどん水疱ができてしまいます。正式名称は伝染性膿痂疹といい、人にもうつるので注意が必要。集団生活をしている場合、プールなどには入れなくなってしまいます。あせもが長引くとなりやすいので、早めのケアを心がけましょう。
●なってしまったら
冷たいタオルを当てるなどしてできるだけかゆみが出ないようにし、改善されない場合は早めに皮膚科に受診を。
睡眠時もぬかりなく!
ぐっすり快眠してもらうための寝汗対策
睡眠中、私たちの体は体温が下がるようになっています。発汗には熱を下げる作用があるため、寝汗をかくのは自然な現象です。子どもは体温が高いのでなおさら寝汗が多くなってしまうのです。ただし、かいた汗を放置すると冷えて風邪の原因に。気づいたらすぐにケアしてあげましょう。
【汗をかいていたら】
- こまめに拭きとる
- あまりに汗が多いときは着替えさせる
- 背中だけが濡れているような場合は、小さめのタオルやガーゼを背中に挟む(背中に挟むタイプの汗取りパッドをあらかじめ入れて寝かせてもOK)
- 適宜冷房などで、部屋を適温にする(設定温度を28℃程度にするなど冷えすぎに注意し、風が直接子どもに当たらないようにしましょう)
☆月刊誌『灯台』2016年6月号「ヤング・ミセス・プラザ」より転載