忙しくてつい、子どもの話に生返事……。そんな経験はありませんか?子どもとの信頼関係を築くうえで親子の会話はとても重要です。日ごろの子どもとの会話を振り返り、そのあり方について考えてみましょう。
子どもの気持ちを受け止め、「聞く」姿勢を大切にする
自分の気持ちを伝えたり、今日あったできごとを話すなど、子どもは親との会話を通して、コミュニケーション能力や語彙力、表現力など、基礎的な力を身につけていきます。
親子の会話では、子どもの「自分の話を聞いてほしい、わかってほしい」という欲求を満たしてあげることが、とても重要です。子どもは、親が自分の話を受け止めてくれたと感じると、安心することができ信頼関係もより深まります。そのため、子どもとの会話では、「話す」より「聞く」ことを中心にするよう心がけましょう。子どもの言葉によく耳を傾け、ときには話しやすいように言葉を引き出してあげるなど、「聞き上手」になることが大切です。
何気ない一つひとつの会話も、積み重なれば膨大な量になり、親子関係はもちろん、子どもの人格形成にも影響を及ぼします。日ごろの会話を振り返り、親子の絆をより強めていきましょう。
子どもとの会話では「聞き上手」になろう
子どもとの会話ではおもに聞き役にまわり、話す分量は「子ども:大人=4:1」くらいを目安にするとよいでしょう。
「聞き上手」になるためのコツ
◎相づちを打つ
「うん」「そうなんだ」などの相づちを、ところどころ打つことで話を促す。
◎オウム返しをする
「痛かった!」→「そう、痛かったの」
「やりたいの!」→「やりたいのかあ」
など、肯定も否定もせず子どもの言葉を繰り返すことで、まず受け入れる。
信頼関係が深まる親子の会話のポイント
●非言語の要素も大切に
会話といっても、話す内容だけでなく、表情や声のトーンなど非言語の部分も重要。子どもの目をよく見ながら、やわらかな表情と温かなトーンを心がけましょう。
●子どもの先回りをしない
子どもが「この前、お山に行って……」などと話しているときに「そうそう、凧揚げしたよね」など、先回りして話すことはやめましょう。子どもは「どうせ最後まで聞いてもらえない」と感じ、だんだん話さなくなってしまいます。
●気持ちを代弁してあげる
子どもが「○○ちゃんにおもちゃを取られた」などと悲しそうに話していたら、「それは悲しかったね」と、そのときの気持ちを代弁してあげましょう。子どもはまだ自分の感情をうまく表現できないため、整理してあげることで心を開きやすくなります。
●立て続けに質問しない
子どもがなかなか話したがらないからといって、質問攻めにするのはNG。子どもがプレッシャーに感じてしまい、よけいに話せなくなってしまう場合も。おやつや遊びなど、リラックスタイムを共有すると話しやすくなることがあります。
子どもからの質問攻めにはどう対応する?
2~3歳ごろ「なんで? どうして?」と盛んに質問する時期がありますが、これは心理学で「質問期」と呼ばれ、好奇心が育ってきた証拠。子どもの質問には、根気よく答えてあげましょう。質問が延々と続いたり、パパやママにも答えがわからなかったりするときは、「わからないなあ。なんでかな」「一緒に調べてみようか」などと答え、子どもに自分で考えさせるよう促してもOK。答えの内容の正確さにこだわりすぎず、心温まるやり取りや、子どもの考えが深まるような受け答えを目指しましょう。
☆月刊誌『灯台』2016年2月号「ヤング・ミセス・プラザ」より転載