体を柔らかくすることは子どもの運動能力の向上だけでなく、毎日を元気に健やかに過ごすためにもとても大切なことです。柔軟運動を幼いころから習慣化しましょう。
筋肉や関節を動かさないと子どもでも体は硬くなる!
生まれたての赤ちゃんや幼い子どもの体はとても柔らかいのに、成長とともに柔軟性が失われていくのはなぜでしょうか。原因の1つに「生活習慣」が挙げられます。生活習慣がパターン化して、体の中で動かさない部分ができると、筋肉はそこからどんどん硬くなります。硬くなるとますます動かさなくなり、より一層硬くなる……という悪循環が起こります。柔軟性が低下すると、転んだだけでも受け身の姿勢がうまく取れず大怪我をしたり、姿勢の悪化につながったりします。毎日の生活の中で背筋や腹筋を伸ばす、肩や首を大きく回すなど、体全体を大きく動かすことを意識したいですね。
また体の柔軟性を保つために、ぜひ取り入れたいのが柔軟運動。毎日続けることが大切なので、お風呂上がりなど、決まった時間に親子で習慣化するのが良いでしょう。
柔軟性を低下させるNG習慣
▼外遊びをあまりしない
家遊びで全身を動かすのはどうしても難しいもの。できるだけ毎日、外で走ったりジャンプしたりと、のびのびと遊ばせてあげましょう。
▼同じ姿勢を長時間続ける
テレビやゲームなどに夢中になると、体を動かさずに固まってしまいがち。そんな時は一言声をかけて、体をぐーんと伸ばすストレッチを。
▼猫背気味・姿勢が悪い
悪い姿勢が続くと体の一部分に負担がかかるようになり、その部分の筋肉が緊張して柔軟性が失われていきます。良い姿勢を心がけましょう。
【毎日楽しく続けよう! 柔軟運動あれこれ】
体の各部位がしっかり伸びているか意識しながら、親子で楽しく行ないましょう。
※子どもが痛みを訴えたら、すぐにやめましょう。
■■ゆらゆらボート漕ぎ■■
[ここを意識!]背中・腰・足のつけ根・内もも
①親子で向かい合って座り、足を大きく開く(親のひざ辺りに子どもの足の裏を付けるように)。
②両手をつないで交互に引っ張り合う。勢いをつけずにゆっくりと、前後に体を倒すように行なう。
■■トンネルぐるりんぱ■■
[ここを意識!]肩のまわり・脇
①親子で向かい合って立ち、両手をつなぐ。
②両手を左右にゆらゆら揺らし、「せーの」で片方の手の下をくぐって背中合わせに。反対側も同様に行なう。
※親子の身長差が大きく、立って行なうのが難しい場合は、親がしゃがんだ状態で行ないましょう。
■■電話でもしもし?■■
[ここを意識!]足のつけ根・肩のまわり
①親子で向かい合い、あぐらをかいて座る。
②親が「リーン! リーン!」と電話の鳴る音を出したら、子どもは背中を丸め、右足の甲を右手で持ち、右耳にあてる(足を受話器に見立てて)。親子で交互に行なう。
■■ひねってパンパン!■■
[ここを意識!]背中・腰
①親子で背中合わせに立ち、足を肩幅ぐらいに開く。
②子どもが体をひねり、親の右手を両手で挟んでパンパンとたたく。左右交互にテンポよく行なう。下半身は動かさず、上半身だけひねることを意識して。
☆月刊誌『灯台』2015年6月号「ヤング・ミセス・プラザ」より転載