子どもがおねしょをしたとき、「大きな地図ができたね!」と笑って済ませられればいいのですが、なかなか治らないと不安になりますよね?まずはその原因をきちんと理解して対策を行なうことが大切です。
おむつ卒業とおねしょ卒業は別!親が焦らないことが大切
日中のおむつを卒業し、夜も外して大丈夫だろうと思っていたら、朝、シーツがぐっしょり濡れていてガッカリ……こんな経験はありませんか。実は、おしっこのリズムは、昼と夜ではまったく異なるのです。
夜、寝ている間に、人間の体では「抗利尿ホルモン」という物質の分泌が増えます。このホルモンは、腎臓の尿の量を減らして、濃い尿を作らせる作用があります。乳幼児のうちは分泌量がまだ少ないため、夜中でもたくさんの尿が作られます。また、まだ膀胱も小さいため、朝まで尿を溜めておくことができず、夜の間に溢れて出てしまうのです。
このように、夜中のおねしょは生理的な要因が大きく、決して子どものがんばり不足が原因とは言えません。成長とともに自然になくなるものなので、おねしょをするたびに叱ったり、親が焦って子どもにストレスをかけたりせずに、ゆったりと見守ってあげることが大切です。
おねしょ対策の3大原則
・焦らない
ホルモンの分泌量や膀胱の成長には個人差があるため、子どもによっておねしょの卒業に差が出るのは当然のこと。他の子と比べるのは絶対にやめましょう。
・怒らない
おねしょは無意識のうちにしてしまうことなので、怒っても治るものではありません。親が怒ると、それがストレスになってホルモンの分泌に影響することも!
・起こさない
おねしょが心配で、寝ている子どもに「おしっこ大丈夫?」などと声をかけるのはNG。夜中に起こすと睡眠のリズムが乱れ、ホルモンの分泌を減らしたり、おねしょを悪化させる原因に。
今日から始めるおねしょ対策 生活習慣を見直そう!
寝る前にトイレに行っても必ずおねしょをしてしまう……。
そんな子でも毎日の習慣や心がけを少し変えるだけで、ずいぶん改善するものです。次に紹介するおねしょ対策を、さっそく取り入れてみましょう!
◆早寝早起きの生活リズム
夜間の尿量に関わる抗利尿ホルモンや、膀胱や尿道の働きを調整している自律神経は、不規則な生活ではうまく働いてくれません。夜更かしなどはせずに規則正しい生活を心がけましょう。
◆自発的なトイレ習慣
子どもに尿意がないのに、親がトイレに行きなさいと促すのはNG。膀胱に尿が溜まっていないのに排尿する癖がついてしまい、膀胱の容量が大きくなりづらくなることも!
◆塩分の取り過ぎに注意
塩分の多い食事をすると、体は尿量を増やして余分な塩分を体から出そうとします。そうすると喉が渇いて、必要以上に水を飲んでしまうという悪循環に。外食や総菜などはどうしても塩分が多くなりがちなので、気を付けましょう。
◆便秘をしない食生活を
便秘になると膀胱に溜められる尿の量が少なくなったり、腸内に溜まった便が膀胱を刺激してしまうことも。便秘にならないよう食物繊維の豊富なバランスの良い食事を心がけましょう。
◆夕飯は就寝3時間前までに
水分を取ってから2.5~3時間で、その約70~80%が尿として排泄されるといわれています。できるだけ寝る3時間前までには夕飯を済ませ、食事後は水分を取らず、尿を出してから就寝するのが理想的。
◆体を温かくして寝る
体が冷えると「抗利尿ホルモンの分泌が減る」「膀胱の容量が少なくなる」など、おねしょの原因に。お風呂でよく温まったり、布団を少し温めておくなど、寝る前に体を冷やさないように工夫しましょう。
※5~6歳を過ぎても毎晩のようにおねしょを繰り返す場合は、かかりつけの小児科に相談してみると良いでしょう。
☆月刊誌『灯台』2015年3月号「ヤング・ミセス・プラザ」より転載