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【発達障害】第10回 友だち付き合い 近所付き合い

児童精神科医
川崎医療福祉大学 特任教授
佐々木正美

 今回は、友だち付き合いや近所付き合いについて考えましょう。
 発達障害、特に自閉症の子どもたちは、友だちと一緒に遊ぶことが苦手です。そのためよく見られるのが、友だちの輪から離れて1人でポツンと遊んでいる様子。それは周りから見ると、いかにも寂しそうに感じられます。ところが本人は寂しいと感じていません。無理に一緒に遊ばせる必要はないのです。
 これは、自宅などの限られた空間で、発達障害の子たちが友だちと一緒に過ごしているときも同様です。発達障害の子たちは、やはりポツンとしているように見えます。しかし、それはそれで構わないのです。本人は1人で楽しく遊んでいることがほとんどですし、周りの友だちもその状況に慣れていきますから。
 発達障害の子が家で友だちと遊ぶときは、友だちの家よりも自宅のほうがいいでしょう。なぜなら、発達障害の特性を知らないご家庭の人の目には、彼らの言動が奇異に映ることもあるからです。また、本人にとっても、いつもと環境の異なる場所で遊ぶよりも、自宅のほうが戸惑うことも少ないはずです。
 発達障害の子を持つご家族は、遊びに来てくれた友だちに「また遊びに来てね」などと積極的に声をかけてほしいですね。また、遊んでいるときは見守ってあげ、徐々にでも彼ら(わが子と友だち)なりの遊びができるようにしてあげてほしいものです。
 まじめで噓をつかない、また率直で裏表がないという、発達障害の子たちのいい面を伝えるためにも、近所の方たちとの付き合いは大切にしてほしいと思います。
 できればわが子の特性について、近所の方たちにはあらかじめ伝えておけるといいでしょう。そうすることで、誤解がなくなったり、さまざまな気遣いをしてくれるようになり、近所付き合いもしやすくなるはずです。

発達障害への理解を深めるために⑩ 

●無理に友だちと遊ばせる必要はない。
●家で遊ぶなら友だちの家よりも自宅。
●発達障害の子を持つ家族は、子どものためにも近所付き合いを大切にする。

☆月刊誌『灯台』2014年1月号より


佐々木正美 ささき・まさみ●1935年生まれ。群馬県出身。新潟大学医学部卒業。臨床約40年の経験を持つ。現在、川崎医療福祉大学特任教授。自閉症の支援プログラム(TEACCH)をアメリカから日本に紹介した。著書は『子どもへのまなざし』(福音館書店)など多数。