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【発達障害】第9回 学校生活で不可欠な先生の理解

児童精神科医
川崎医療福祉大学 特任教授
佐々木正美

 発達障害の子たちが幸福に生きていくためには、周りからの理解がとても大切です。前回お伝えしたように、彼らを理解し、私たちが歩み寄れば、とてもいい子に成長するのです。
 学校での生活環境を整えるためのカギは、先生に発達障害について、しっかりと理解してもらうこと。事前にじっくりと話をしておきましょう。
 以前に比べると、教育関係者の発達障害に対する理解は進みました。しかし、まだ個人差があるようです。
 発達障害を理解していない先生は、その特性を修正しようとする傾向があります。その場合、発達障害の子たちの学校生活はなかなかうまくいきません。たとえば、学校ではよく偏食が問題になります。彼らの食生活は偏っていることが多く、これを矯正しようとすると、ますます問題が大きくなってしまいます。ですから大事なことは、偏食を認め、楽しみながら食事をすること。そうすれば、成長とともに彼らの偏食は減っていくはずです。
 また、家庭でもそうなのですが、1日の予定を視覚に訴える等の工夫をするといいでしょう。クラスのためにもなりますので、時間割は、絵と文字を組み合わせたものにします。
 問題になるのは予定の変更が起きたとき。そうなると、発達障害の子たちは哀しみや怒りなどいろんな感情を表に出します。こういった場合は、絵や短い言葉などで変更の事実を伝えましょう。そうすれば、彼らの苦しみを取り除くことができるはずです。
 発達障害の子たちは、成長するにつれて、言葉だけでもさまざまなことを受け止められるようになります。ただ、いつそうなるかは個人差が大きいので注意が必要です。視覚的なサポートが必要な子には、その必要がなくなるまで続けていくことが大切ですね。

発達障害への理解を深めるために⑨ 

●学校の先生には、事前に障害についてよく話し、理解してもらう。
●時間割は、絵と文字を組み合わせたものを。
●成長とともに視覚サポートは減っていく。

☆月刊誌『灯台』2013年12月号より


佐々木正美 ささき・まさみ●1935年生まれ。群馬県出身。新潟大学医学部卒業。臨床約40年の経験を持つ。現在、川崎医療福祉大学特任教授。自閉症の支援プログラム(TEACCH)をアメリカから日本に紹介した。著書は『子どもへのまなざし』(福音館書店)など多数。