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【エコ生活】第14回 世界の絵本

ライフスタイルアドバイザー
宇佐美総子

 2013年11月に鎌倉芸術館で開催された、「せかいの絵本展」に行ってきました。
 展示されているのは海外の絵本ばかりなので、その国の言葉で書かれているのですが、「何て書いてあるのですか?」と係の人に質問すると、その場で和訳を読んでもらえたので物語を深く理解することができました。
 フランスの「人の指にペイントした絵本」や「油絵の色彩と質感を生かした絵本」、韓国の「赤と黒を使った直線的な線の絵本」、インドの絵本は「手漉きの紙を使った1点もの」など、どの作品にもその国の特徴が表れていました。
 中でも感動したのは、中南米の伝書鳩のお話です。
 白い鳩は楽園のような美しい世界を旅して、途中、親切な人々から食べ物をもらい、大事にされて、幸せいっぱいに目的地へ到着します。一方、同時に出発した黒い鳩は、通りかかる国が戦争をしていて、人々が飢えや汚染に苦しみ、途中、食べ物を一度も口にできないまま、ふらふらになって目的地へとたどり着きます。
 この絵本は、左から読み進めると白い鳩のお話、右から読むと黒い鳩のお話になっていて、最後に本の真ん中で白と黒の鳩が会えるのですが、実はこの黒い鳩は、本当は出発するときには白い鳩だったのです。幸せな国を旅した白い鳩と、不幸な国を旅して黒くなってしまった鳩のこのお話は、胸に迫るものがありました。
「日本にもこんな絵本があるといいですね」と係の人に感想を伝えたら、「日本はコスト重視なので、なかなかこういった絵本は作れないんですよ」とおっしゃっていました。
 子どもの頃、弟と私はいつも母に枕元で絵本を読んでもらっていました。今回、絵本は色々な可能性を秘めているということがわかり、これから龍聖くん(長男)にどんな絵本を読んであげようか絵本選びが楽しみになってきました。
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※台湾の友人が贈ってくれた中国語の絵本がお気に入り(写真提供/筆者)

☆月刊誌『灯台』2014年2月号より転載


宇佐美総子 うさみ・ふさこ●ライフスタイルアドバイザー。ほかにも司会、モデル、カウンセラーなど多彩な顔を併せ持つ。豊富な経験から得た無添加・天然素材等の知識をもとに環境問題に取り組んでいる。著書に『幸せをはこぶ 天使のパン』(主婦と生活社)。 Gateau d'ange 北鎌倉 天使のパンケーキ