調理の工夫で魚嫌いを克服しよう!

栄養価が高く、成長に必要な栄養素が豊富な半面、子どもが嫌うことの多い魚。調理を工夫し、徐々に食べられるようにしていけるといいですね。そこで、ママも楽ちんなおいしく食べられる魚の簡単調理法を紹介します!

食べやすい調理の工夫で、少しずつ魚に慣れていこう!

 周囲を海に囲まれた日本は、新鮮な魚介類がとっても豊富。魚は、日本人の食卓に、古くから根付いてきたものでした。ところが、残念なことに、昨今の日本人の魚離れは、年々深刻さを増しています。
 その背景にある要因の一つが、子どもが魚を好まないこと。せっかく魚料理をつくっても、子どもが食べないため、ついつい食卓に出すのを敬遠してしまうご家庭もあるのではないでしょうか。また、魚をさばいたり骨を取ったりなど、下ごしらえに手間や時間がかかることも、魚離れを進行させている要因の一つ。
 そこで今回は、子どもも食べやすく、おいしい魚料理のつくり方を紹介します。切り身や缶詰などを利用すれば、調理も手軽。子どもにとっては、見た目も好き嫌いの重要なポイントになるため、どうしても苦手な場合には、魚の形が見えない調理法からチャレンジしてみましょう。
 子どもの頃の食の経験は、大人になってからの食生活にも大きな影響を及ぼすとされています。おいしく食べられるように調理の工夫をして、徐々に魚に慣らしていきましょう。

子どもが魚嫌いなわけ

子どもには、毒や悪くなった食べものから身体を守る本能が備わっているとされ、食べづらい形のものや、生臭い臭いのするものを避ける傾向があります。
そのため、子どもが魚を嫌う理由には、以下のようなことが考えられます。

臭いが苦手

魚特有の生臭さを苦手とする子どもは多いようです。サバやサンマ、アジなどの青魚は鮮度が落ちやすく、鮮度が落ちると、生臭さを強く感じることがあります。この場合、タラやタイ、カレイなどの白身魚から慣らしていくのがおすすめ。カレー味などの風味をつけたムニエルなどにすると、臭いも気にならず、食べやすくなります。

骨があるのがイヤ

魚の小骨は、多くの子どもが苦手とするところ。食べるのに時間がかかったり、のどに骨をひっかけたりした経験から、嫌いになってしまう子もいます。この場合、骨を取る必要のない缶詰を利用するのも一つの方法。また、魚の骨をあらかじめ取り除いた「骨ぬきの魚」も市販されていますので、利用してみるとよいかもしれません。

見た目が怖い

顔や目玉のついた魚の姿を見て、食べることを躊躇してしまう子もいます。この場合は、つみれやハンバーグなど、魚の原形をとどめない調理法を工夫してみましょう。形が変わるだけで食べられるようになることもあります。

パサパサした食感がイヤ

パサパサした食感が苦手という場合は、油分を添えたり、あんかけにすると食べやすくなります。また、パサパサの原因が火の通しすぎであることも多いので、新鮮な魚を選び、焼きすぎないこともコツ。

魚もアレルギーの原因に!

魚には、脳の発達に重要な役割を果たす不飽和脂肪酸や、骨を丈夫にする働きのあるビタミンD、カルシウムなどの栄養素がたくさん含まれています。一方で、魚に含まれるたんぱく質がアレルギー症状の原因になることも。心配な場合は、医療機関などで検査してみることをおすすめします。

魚を使った料理に慣れよう!

魚が苦手な子には、食べやすく工夫した料理から慣らしていくのがおすすめ。
少しずつ、食べられる魚の種類を増やしていきましょう。

白身魚のカレームニエル

生臭さが少なく、食べやすい白身魚とカレー粉の香りで、食欲がアップ!

●材料(4人分)
白身魚の切り身 4切れ
塩・こしょう 少々
サラダ油 大さじ1
バター 大さじ1

(A)
小麦粉 大さじ2
カレー粉 少々
塩 小さじ1/2

① 白身魚は水気を軽く拭き、塩・こしょうをふって、(A)を混ぜたものをまぶす。
② フライパンにサラダ油をひいて中火で熱し、①を入れて両面を3分くらいずつ、焼き 色がつくまで焼く。
③ 仕上げに、バターを入れて溶かしてからめる。

すり身だんごのみそ汁

子どもにも食べやすいすり身だんご。入れる具材を替えたり、他の汁ものにアレンジしても◎。

●材料(4人分)
白身魚の切り身 250g
大根 100g
油揚げ 2/3枚
だし汁 800ml
みそ 大さじ3

(A)
卵白 1個分
片栗粉 大さじ1
塩 小さじ1/2

① 白身魚は、骨と皮を取り除いて5mm程度の幅に切り、包丁でたたいて細かくする。
② ①と(A)をすり鉢に入れて、粘りが出て、まとまってくるまで、すりこぎですってかき混ぜる。
③ 大根は7~8mmの棒状に切り揃え、油揚げは短冊切りにする。
④ 鍋にだし汁を入れ、③を入れて煮立たせ、大根がやわらかくなるまで中火で5分ほど煮る。
⑤ ②をスプーンなどで丸めて④に入れ、3分程度中火で火を通してから、みそを溶き入れる。

サケのマヨネーズ焼き

子どもの大好きなマヨネーズ味。油気を添えることで、パサつきが苦手な子どもも食べやすくなります。

●材料(4人分)
生ザケの切り身 4切れ
塩 少々
マヨネーズ 大さじ4
パン粉 大さじ2
パセリのみじん切り 適量

① 生ザケは水気を軽く拭き、塩少々をふったあと、片面にマヨネーズを塗り、パン粉をふりかける。
② オーブントースターの天板にオーブン用シートを敷き、その上に①をのせて、火が通るまで焼く(約10分)。焼きあがる直前にパセリを散らす。

メカジキの竜田揚げスティック

人気の竜田揚げを、メカジキでアレンジ。スティック状だと子どもにも食べやすくなります。

●材料(4人分)
メカジキの切り身 3切れ
片栗粉 適量
揚げ油 適量

(A)
しょう油 大さじ1
砂糖 大さじ1
酒 大さじ1
しょうが汁 小さじ1

① メカジキをスティック状に切り、(A)を混ぜ合わせた液に漬けて、10分以上置いておく。
② メカジキの汁気を軽く拭き、片栗粉をまぶす。
③ ②を170℃の揚げ油でからりと揚げる。

缶詰ハンバーグ

苦手な子どもが多い青魚も、ハンバーグならおいしく食べてもらえるかも! 缶詰を使用するので、調理の手間もかかりません。

●材料(4~5人分)
サバの水煮缶 2缶(380g)
木綿豆腐 200g
玉ねぎ 1/2個
パン粉 大さじ5
片栗粉 大さじ5
しょうがのすりおろし 1かけ分
塩 少々
サラダ油 大さじ1と1/2

【ポン酢ソース】
ポン酢 大さじ3
砂糖 小さじ1/2
水 100ml
片栗粉 大さじ1/2

① 鍋に水(分量外)を入れて煮立たせ、水切りをした豆腐を入れて弱火で5分ほど茹で、ザルにあげる。
② 玉ねぎはみじん切りにして、サラダ油大さじ1/2をひいたフライパンでしんなりするまで炒める。
③ ボウルに、水気を切ったサバと①の豆腐、②の玉ねぎ、パン粉、片栗粉、しょうがのすりおろし、塩を入れてよく練り混ぜ、食べやすい大きさの小判形にまとめる。
④ フライパンにサラダ油大さじ1をひいて中火で熱し、③を入れて両面を2分ほど焼く。焼き色がついたら蓋をして、弱火で2~3分蒸し焼きにする。
⑤ 鍋にポン酢ソースの材料を入れて混ぜながら煮立たせ、とろみがつくまで中火で煮詰め、ハンバーグにかける。

☆月刊誌『灯台』2019年9月号「ヤング・ミセス・プラザ」より転載